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魔王討伐から半年。勇者パーティの荷物持ちだった僕は、亡き仲間の手紙を届ける旅に出る

作者:海鳴雫
最新エピソード掲載日:2026/10/16
魔王が討伐されてから、半年が過ぎた。
世界には平和が訪れ、人々は勇者レイン・ルクセリアの偉業を称えていた。
しかし、魔王城へと向かった五人の勇者パーティのうち、生きて帰ってきたのは二人だけだった。
勇者レインと、荷物持ちのテオ・アルベルト。
神官リラ・フェイル。
魔道士セシリア・ルーン。
聖騎士ナーグ・タロスト。
三人は、魔王との最終決戦で命を落とした。
戦いで重傷を負ったテオは、半年もの療養生活を余儀なくされる。
そして、ようやく自由に歩けるようになったある日。
彼は古びた鞄の中から、三通の手紙を取り出した。
それは魔王城へ突入する前夜、三人の仲間から託されたものだった。
『もし、俺たちが帰れなかったら、代わりに届けてくれ』
彼らが笑いながら交わした、何気ない約束。
だが、今となっては決して破れない約束だった。
「僕には、魔王を倒す力なんてなかった」
「みんなを助けることも、できなかった」
「でも……」
テオは三通の手紙を鞄へとしまう。
「僕は荷物持ちだから。みんなの大切なものを、最後まで運ばなくちゃ」
こうして、世界を救った勇者パーティの荷物持ちは、誰にも知られない小さな旅へと出発した。
それは三通の手紙を届け、三人の帰りを待ち続ける人々と出会う旅。
そして、テオ自身が、生き残った意味を見つける旅だった。
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