表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

聖女をクビにしたら国が詰んだ

最終エピソード掲載日:2026/05/09
十年間、誰にもここにいてほしいと言われなかった。
王都の筆頭聖女フラウは、第一王子にクビを告げられた。お前の代わりなどいくらでもいる、と。泣かなかった。
もう十分だと思ったから。
後任の聖女が連れてこられた。フラウは最後に神鏡テストを進言した。握りつぶされた。
引き継ぎ書三百頁を残して、王都を去る。
翌朝、結界が消えた。神獣が餌を拒否した。祝祭の段取りを知る者が誰もいなくなった。
代わりはいるはずだった。なのに国は、静かに壊れ始める。
辺境の古神殿にいたのは、無愛想な神官長と見た目八歳の子ども神。神官長は好みの茶葉を備品だと言い張る。毎朝届く花を、たまたまだと言い張る。
子ども神はおやつをねだり、厨房を爆発させる。夜になると膝の上で眠りながら、ここにいてよと言った。
十年で初めて聞いた言葉だった。
フラウのいない王都が崩れていく。フラウのいる辺境が満ちていく。
備品でもたまたまでもないものに、フラウはまだ気づかない。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ