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聖者様は領収書をご所望です ~経理主任(33)、異世界の聖者になったら、この国の帳簿が三百年分の粉飾決算でした~

最新エピソード掲載日:2026/11/05
厄指数「非常に高い」の年度末。
経理主任・代田誠(33)は、一円の誤差を見つけた帰り道で突然死し、異世界の聖王国に「聖者」として降臨した。

名乗ろうとすれば、くしゃみが出る。おかげで聖名は「聖ハクシ」。
「すみません」は「まだ済んでいません」と直訳されて神託になり、「持ち帰って検討します」と言えば「持ち帰りの間」が建立される。
崇められ、甘やかされ、毎朝のラジオ体操は国の儀式になった。

一年の務めを終えれば、聖者は天に還るという。
――一年の出向か。任期満了で帰任できるなら、悪くない。

だが、経理の目でこの国の聖典を読んだ誠は、気づいてしまう。
これは教えではない。仕訳帳だ。
そして相手勘定の欄は、三百年分、黒く塗りつぶされている。

この国の繁栄は、誰の損で成り立っているのか。
歴代の聖者は、どこへ還ったのか。
初めて会ったはずの侍祭アリスタを、なぜ懐かしいと感じるのか。

借方と貸方は、必ず釣り合う。
釣り合わないときは、どこかで誰かが損をしている。

しがない経理マンが三百年の粉飾決算に挑む、笑えて、ときどき胸が痛い異世界ファンタジー。
(第一部・全33話)
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