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ゴシカ (Gothica)

作者:2bFYiQ
現代は,半分が黄色い曲がり角とおなじだ.架空の名探偵シャーロック・ホームズの格言に「それがいかに奇妙であっても,不可能を消去して最後に残ったものが真実だ」―― おおよそこういう意味のものがあり,そうならば,誤りを排除しつくした果てに残ったものを ひとは担いきらなければならず,事実ひとびとは,反輳《はんそう》と単複への切実な問いを,世界に自問として組みこみおえてしまっていた.始点とシルクハットで劈《つんざ》く多さを,混線により決まった〈目的地が宛て先に被さらず,私へのプレゼントになる〉こととして見ている.体系は墜ちた.隅で止まっているアド・バルーンの規格は,(立体性を柔らかく分与するときに混じっていた服飾規則で,感情的であったとの記録がある) イゼコピア瓶を守った 4 時間の夏の一貫性である.

各々にとって唯一の魔法を行使しなければならない段階で,世界は立ちつくす.守るべき赤々と燃えつづける一画にせよ,反輳《はんそう》と単複 …….隣人が通りすがりに寄こした紙には,上部に「計画派クロリカが電装したアイス・クリームについて - 涙篇」とゴシック体で銘打たれており,あとは,パラペットと見覚えの無い縞模様を流れるまっ黒な (それでいておいしそうに艷やかな) 林檎を,その黒色の色素でデッサンするための空白になっている.白い影を散りたたせ,今にも羽ばたきそうな気配を湛えている街へ,ひとびとが歩いてゆく.逆に,街から歩いて出てくるひとびとに関しては,彼らの横顔の 傾斜の無い青空を売っている様が,改札印のモチーフになったこともあるが,古い屋上を漂泊している掃き跡にせよ,街ぐるみで夕焼けを一致させてからの話だ.

そうした煮つまった中,ほかには無い思念にとり憑かれている男がいた ―― 第 9 リオロメタ下級工場に勤めるギーゼラである.物音ひとつしない真夜中,彼は,いつのまにか寝落ちするその瞬間まで,キッと耳を欹《そばだ》て複数の無音を一心に聴き込む.「答えだ …… それだけが問題だ」この暗く木霊《こだま》する呟きに押しだされ,ギーゼラの答えを求める遠征が始まった.ある種パラノイックな行動原理に基づく彼の動きは,いったいなにに結実するのか.この極限世界を鮮烈に切りさくような答えを果たして手に入れられるのか.ギーゼラの逃れようの無い破滅への道のりとその後を描《えが》いた,抽象的冒険譚.
序章 ―― 統一法則は任意の誰かにあらねばならず, それの 別の誰かに覗き込まれたことへの決済力が立つ ひとびとの逐語的な電柱らしさの中で, 関わるように擦りぬけるように白い石
第 1 部分 *
2015/09/01 19:00
第 1 章 ―― 現存する悪の純粋和であるような がむしゃらな矢めいた狂犬は, 例えば, 三門公会 (cf. 古代プロパティー - GX 期) が述べざる理由としての レギスタ実線を開封できた影だ
第 1 部分
2015/09/01 19:00
第 2 部分
2016/01/20 00:45
第 3 部分
2016/02/21 11:10
第 4 部分
2016/04/09 00:10
第 5 部分
2016/04/15 00:10
第 6 部分
2016/05/20 22:10
第 7 部分 +
2016/09/09 22:10

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ゴシカの正式タイトル

当作は, syosetu.com 上の掲載タイトルとしては「ゴシカ (Gothica)」だが, 正式には「ゴシカ」で十分である. 要は英字表記は要らない. 掲載タイトルで併記しているのは, なにか英字表記の必要に迫られたときのことを見すえ (気に入った英字フォントでタイトルを飾りたい, 英訳する, etc.), まえもって綴りを公示しておくためである.

広義のゴシカの性能

"ゴシカ" には, 本質的に二者しか登場しない ── ①. ただし, ダブル・クォーテーションつきの "ゴシカ" は, ひとまず「広義のゴシカ」を意味している. 製作物は, すでにそのまえから, 製作を赦す世界としての形飾《けいしょく》にあろう. そう形飾されるよりもまえの, さらにそれ自体であるところのゴシカ ―― あり体にいえば, まだシステムにも解釈されていないような, 純粋にゴシカそのもの ―― について, ここでは述べていきたい.

さて, 単にどこまでも二者であれることに加え, "ゴシカ" はその射程が, 少なくとも 60 % 強を誇る ── ②. 逆に, それを超過するところへの適用は, 原理上保証されない. ただ, 適当なモジュレーターを噛ましてやれば, 日用上は 90 % を超えるスペックが期待される. 例えば, 距離にして光年オーダー, 時間にしてミレニアム単位の対象であっても, そう捉えられた時点で (モジュレーターは半ば完成しており), すでにゴシカの射程圏内にあるのだから. (一方, モジュレーターの構築時間が ∞ に発散してしまうとき, これはゴシカが適用できないことになる) 最後に, "ゴシカ" は実は日本によっている ── ③ʼ. ①, ② と比べ強い仕様で異質に見えなくもないため, 一応数字にダッシュをつけておいた. 確かに, 1 層下りたフェーズに視《み》たほうが順当かも知れないが, ブログの「『ゴシカ』での "倫理" について & 第 2 章 第 4 部分の憶え書き」で書いた思いからして, これも原理性能からは外せないと結論した. (繰りかえしになるが, 飽くまで広義のゴシカの話で, 小説としてあるこのゴシカ N0196CW が, 実は日本をモティーフにしている ……, といったことを意味してはいない. この小説は最下層の事例に当たる)

"ここ" (例えば syosetu.com) での製作についての表明

製作物の「それがどう製作されているか」という実体が, その製作物自体を拡大していくことは無いと, ここでは厳格に規定される. ある種この冷酷な決めごとを (ゴシカでは, "付近ひとつ当たりの価値が朝に出発した" といった属性的におかしい文に (cf. 第 1 章 第 1 部分), 端的に表象されているような) 論理矛盾にまで死守しえたとき, しかし冷酷さは払拭される筈だ. 製作物が製作されるべきものを改変するといった, そこに考え無しに偶発性や神秘性を見いだそうとする態度は, 製作されるべきものを正確に具体物に落としこむべく努めて合理化された技術を, 無自覚のうちに軽んじている. 製作物は, 製作されるべきものにいかに損失無く対応した像であるかによって, 公正に評価される.「なにで製作するか」という手段も, こうした観点から合理的に導出しなければならない (ゴシカのばあい, 手段に "小説" が選ばれているわけだ). つまりは正確さのいかんで計られる技術的製作, その確たる無私の構造性により, あれら ――「製作されるべきもの」の素因たるあれら ―― を裏側から立証する, 絶えず自らを突きつめてゆく論理の迎角《げいかく》を, 遠く微かにせよ聴きとりうるのだから.

cf. (憶え書きなど: ) category/original_novels-gothica ⊂ v9ypsw.hatenablog.jp

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