挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ゴシカ (Gothica) 作者:2bFYiQ

第 1 章 ―― 現存する悪の純粋和であるような がむしゃらな矢めいた狂犬は, 例えば, 三門公会 (cf. 古代プロパティー - GX 期) が述べざる理由としての レギスタ実線を開封できた影だ

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

2/8

第 1 部分

ライゼアで大規模な均衡が起こった. 玄関で高級な会話が切りわけられ, 自分のための朝の出発が厳かにとり決められているときに, マルスが縦 非現実アンリアルを発行した. 部屋でと惑う白い扉を横目に, ひとびとが通ったところは廊下であった. 洗練された装いの雲が差しおさえられ, その文字は暴かれた. 丹土につち(赤色の土) に塗れた日計表が, 無口湖むこうこのほとりに置かれた洋梨を, 私の家にしている. 事実は圧倒するものだ. どれだけ僅かなずれであれ, 代替だいたい物を待つことも無く, いつでさえあなたが中断してくれる. 嵐の前夜にほんとうの食事ができたこと, ここまでは良かった. マルスが厚みで見えなくなったあと, (からだと思われていた) 引きだしから〈設計図のなにかが優しい. 積極的にどうでも良くなった. 周りの喜びは, きっと自分の喜びにもなる. 前任者は眠れる. 会社は属せる〉リボンで結ばれた枯れたクローバーが, ザッと消えた. おなじであったのだ ―― 渦巻状の歯であるようなひとびとは, すべてについて増大した. 実際 縦非現実は, 右溝帯うみぞたいの多く (ゼキミンガ枚, ウグレ枚, ナコ枚, ターテーデ枚, トニルサ枚, エダツンツ枚, イイ枚, ムゲロブ枚) を圧倒し, 挿句が音を立てながら煌めいて散る. 額縁から逃れた結晶の綺麗な汗が, ライビルムへの道のりを告げる.

"マルスの発行価値は当然改められねばならない. 渓谷に舞っている機械産業のログを見たことがあるか. マルスの核心は 右溝帯うみぞたい- ムゲロブ枚 - ハソナぞん- ケセりんで〈青く〉生まれたと, 残痕から考えられている. 最初に保護したものが〈繋がりと繋がりのあいだ ―― ならば〉家族の構成例であることも, 分かっている. マルスを成りたたせる下層, 中層, 上層の 3 層は基礎部で協奏していたが そこがまず散岐さんきしてしまっていた. マルスが森林に関わっていた勃興初期 (a. k. a. 青い夜),〈私が私に動かず〉目を擦った と証言している者 (高価玄関を貫く マルス中層の窓の枚数. N. B. 欠損) がおり, 当時のマルスは 1 回喜ぶと 3 回跳ねていた とも証言している. 例の均衡でもこれらを借景しゃっけいしていたならば, マルチレット (cf. 失墜機関) が提出した「マルスの縦 非現実アンリアル発行は 卵の関わりを前後に揺らしたに過ぎない」と題されたレポートは, 撤回されねばならない. なぜならば そのレポートを要約すると,

'縦 非現実アンリアルは強力無比な解決策であるので, マルスがそれに安易に頼れば 学校に昼間を充填することもままならなくなりうるし, なにより ひとびとが大書版を小脇に集まりはじめていたのに, なぜ それを実行した. 夏眠かみんを退けたマルスが (cf. 縦横非現実の焦点), 自傷を知らない筈が無い'

―― 兼ねこういう批判になっているからだ. このレポートも〈汚俗だ. 汚俗. 抒情詩はもう息もできず〉当時は冴えていたが, 森の精神性が隠れていたとなると, 土台から崩れてしまう. 目だつ記法で細かい葉を忘れさせた私たちは黙る. 小さな麻袋から〈陋巷ろうこう(狭く汚い町) を選んだ雪が 辺りの時間を常識化して〉誓いが転がりでたので, 新しさが開始した. 値づけもされておらず, 右溝帯うみぞたいには短い輝線の息がある これは, マルスが携わっていた森 (屋内領αにある無名の一帯) のシンクで前出の証言者が見つけものだ. プレ分析で重かった「一番近くで信じられた線」が, 青い夜を幾つか束ねるであろう. 少しぼかすと止めてしまう枚数が専門家を組み込んでおり, 入場ゲートがここになっている.

ここからは, ユモクキー電論 (cf. 黒さが絡まったかどの干し方) を参考にした. 当たる面積には感謝する. 3 分の 1 の輪とレバー (可動式の取っ手), オレンジ色の樹脂製の椅子を用意せよ. 3 分の 1 の輪は 用意しない 3 分の 2 の輪を差しひけば良い. 今回の均衡は「私が自分自身に噛みあわない」タイプの抽象例であったので, 私たちは それら二者 (= 私と自分自身) の人為的な照会から始めたが, マルスは この〈疑いもしなかった〉セオリーへすら移行しなかった. 今思えば, 真に均衡に立ちむかっていたものは マルスだけであったのである"

均衡の舞台は, 均衡が兼ね薄まった今となっては, 少人数が さざ波の差に特別な向きで訪れることはあるが, もう賑やかではなくなってしまった. ひとびとが設置していった忘れものは どこと無くカトラリー (洋食用の刃物類) に似ている. 囁きの跡を遠くに, 等間隔に並んだ両開きの鉄扉のまえでは, 穏やかなレモンが磁場を夢見ている. 端的にいって, その場所は もうタイムリーではなくなった. それを区ぎりとしたのか ―― 夜, 誰も気にも留めなかった隅から, ずるり とようやく動きだす影があった. ギーゼラであった. かなり初期から今の今まで事をジッと見きった その瞳は, 鈴音すずがねの背景よりも暗い. 答えだ, 答え …… ―― この一貫する重い独語が, 塊めいた航路を張りつめさせている. 彼が現場に来たときには, 解答欄が蛍石フローライトを計っていただけなので, 白い扉が 元々はマルスの性格であったことも知ったが, そこに興味は無かった. 柔らかい個数も削ぎおちたギリギリした制動.

「博打のような初動ではないかな」

曇り空の型番が鉄の羽を指ししめす中, 大通りからひだりへ外れる小道に佇んでいた歩行者は もう去った. 答えを求めているので …… ―― ギーゼラは陰鬱に答えた.

「あの均衡がどう答えへの手がかりになるのだい」
「大量の評価が参考になるかも知れない」
「なにへの評価 …… ?」
「なにへでも ……. 今回は, マルスやマルチレットへの評価が, 結果的に目だっている」
「それでは, マルスやマルチレットを君はどう評価しているのかな」
「ああ, 違うのです. 具体的な評価内容は, 最後に呼びだされるべきだ ……」
「なぜだい」
「答えのその場限りの姿に過ぎないので ……. 答えはありとあらゆるものを保障する」
「すると, ありとあらゆるものを保障する答えへ至るために, 君はまずなにを呼びだすのかな」
「張力 ……」
「えっ, 張力 ……?」
「そう. 評価のあいだに働く力」
「すると, マルスへの評価とマルチレットへの評価とのあいだに, 張力が働いているわけかい」
「自他的なあいだに関わらず ……」

ギーゼラの返答には一見どれも自答めいた虚ろさがあったが, 実のところ それは, 爆発しそうな情熱を理性で必死に押さえ込んでいることの裏返しであった.

「ところで, 君が求めているものは『究極の答え』なのかな」

ギーゼラはなにかをいいかけたが, 止まった. 質問の不意の転調に恐ろしい予感がしたようだ. 冬が底無しになり, 秒針が切りつめられる. すなわち ……? ―― 彼は用心深く反問した.

「つまり, 君が求めているものは『それより上は無い最も優れた答え』なのかな」

そのとき, ギーゼラは見てしまった ―― 部屋や廊下や屋上を無尽に疾駆しっくする 黒く燃えたつ狂犬を. あざけりで充血した犬の巨眼を直視したとき, 彼を打ったものは 自ら湧きでる殺意であった. 殺す, 絶対にこの犬は殺さなければならない.「ありとあらゆる偽作が一気に開けはなたれる平原を見た者は, それを見れる」ことの意味を, 心からうち震えながら 飲みほした. 博物館がとうとう壊れる. 瞬間が固まったかのような漆黒の光に貫かれながら, ところで ギーゼラの心の片隅では, 誓いが転がりおちた あの麻袋の裏地に印字されているフレーズが, 異形なレプリカを促成していた. そのフレーズとは,「Lunatic fringe」(ルナティック・フリンジ ―― 狂信的異端派) ―― 明らかに彼の脳裏をルナの姿がぎっていた.
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ