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AIが作った完璧な旅程を、仁寺洞のかき氷で忘れた

短編
あらすじ
三泊四日のソウル旅行。せっかくだから韓国グルメを堪能し、観光名所もできるだけ回りたい。そこでAIに旅行計画を立ててもらった。

出来上がった旅程は見事だった。評判のレストラン、主要観光スポット、移動時間まで計算された、まさに完璧なスケジュール。これなら間違いなく充実した旅行になる。はずだった。

ところが、行きの飛行機が遅れ、金浦空港から市内への道路は大渋滞。初日の予定は早々に壊滅し、結局、明洞をぶらぶら歩いただけで終わってしまった。

翌日からも予定は崩れ続ける。人気店は長蛇の列で断念。代わりの店を探そうにもGoogleマップが当てにならず、道に迷う。ところが迷子になった先で、翌日訪れるはずだった店を偶然発見。入ってみると、これが大当たりだった。

南大門市場も、疲れたのでほんの少し見ただけ。その代わりに訪れた仁寺洞では、思いがけず書道の店に出会い、骨董屋を兼ねたカフェでかき氷を楽しんだ。もちろん、どちらもAIの旅程には載っていない。

帰国してから、改めてAIの計画を眺めてみた。実によくできている。だが、旅の思い出として鮮やかによみがえるのは、計画どおりに行かなかった出来事ばかりだった。

AIは旅を最適化してくれる。しかし、人間は必ずしも最適な旅をしたいわけではないらしい。

次の旅行でも、きっとAIに完璧な計画を作ってもらうだろう。

そして、また現地で壊してくるつもりである。
Nコード
N6563MX
作者名
朝吹龍一朗
キーワード
秋の文芸展2026 韓国旅行 かき氷
ジャンル
コメディー〔文芸〕
掲載日
2026年 10月22日 21時39分
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文字数
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