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泥生まれの俺たちに魂はあるか?

作者:ツカサ
最新エピソード掲載日:2026/08/05
スワンプマンとは、雷で人間が消滅した瞬間、沼でまったく同じ構造を持つ存在が偶然生まれたという思考実験である。
見た目・記憶・行動は本人と完全に同じでも、因果的な連続性がないため「同じ人物なのか」が問われる。
この思考実験は、人格・意識・自己同一性とは何かを考えるために提唱された。そして──
禁忌の魔法により、自らの記憶を転写したクローンを生み出した魔術師アレクトゥス。
それから百年余り。彼の記憶を継いだ百人以上のクローンたちは、製造番号という出自を隠し、王国の軍人、共和国の議員、そして異民族の傍らに立つ研究者として、それぞれの人生を歩んでいた。
三国が入り乱れる戦場、ルーペス砦。
テラソリス王国の少尉・ラティウス(140号)、ノヴァ・ティダス共和国の議員・プラエトル(51号)、そして北の異民族に加担する研究者・ユイ(66号)。
同じ記憶から生まれたはずの三人は、敵味方に分かれてこの地に立っていた。
果たしてなぜ、こんなことになったのか。
同じ記憶を持つ者たちが、異なる思想、異なる立場、異なる生き方へと分岐していく先に──果たして「魂」と呼べるものは残るのか。
記憶の同一性は、魂の同一性たり得るのか。
これは、答えのない問いを抱えたクローンたちが挑む、群像劇。
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