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捨てた花嫁の影で、王冠は腐る

最終エピソード掲載日:2026/06/21
セレスティアは、ずっと影だった。

王太子クラウディオの婚約者でありながら、彼女の仕事は誰にも見えない場所にあった。

夜ごと王冠の腐敗を受け止め、笑われても、疑われても、ただ黙って支えてきた。

けれど彼女は、光の似合う聖女候補の前で婚約を破棄される。

影なら、黙ってそこにいろ。

そう告げられた夜、セレスティアは王宮に鍵を置いて去った。

すると、王冠から黒い蜜がにじみ始める。

祝福の鐘は沈黙し、白百合は黒く萎れ、王宮は少しずつ歪んでいく。

彼女が担っていたものは、本当にただの陰気な儀礼だったのか。

王冠が求めていた影とは、いったい誰のものだったのか。

捨てられた花嫁の影は、どこへ伸びていくのだろう。
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