REVENGE of the WORLD:復讐から始まる旅路～人を信じられなくなった少女と元奴隷の少年の愛を知る物語～

　サリアは生まれた時から何でも持っていた。家柄も才能も誰もが欲しがるものは何でも持っていた。
　しかし、サリアはそのどれにも興味がなかった。
　望めば全てが手に入る。そんな生き方に生きる意味を見出せないでいた。
　そんなある日、サリアに転機が訪れた。
　彼女の母親と売れない画家だった伯父が恋仲となり家を飛び出したのだ。
　
　母親はいなくなる前にサリアに「どんなに家柄が良くて、才能があって、顔が美しくても、愛が無ければ何もないのと同じ。真実の愛こそ、何にも変えがたいものなのよ」と言った。
　母が求めた真実の愛が自分にも足りないものだと思ったサリアは真実の愛を求め、勉強するが幼い彼女にはそれが何か理解することは出来なかった。


　それから長い月日が流れ、美しく成長した十二歳のサリアは数多くの男性から好意を向けられるものの、どれも真実の愛だとは思えず、全ての好意を拒絶した。
　その話を耳にした自国の王子はサリアに興味を示し、彼女に求愛するが拒絶される。
　怒った王子は、サリアを思い通りにしようとするがうまくいかず、それでも腹の虫が収まらない王子は、サリアに瓜二つの妹リーナを利用して、自分自身をサリアが殺そうとしたように工作し、この国にいられないように追い詰める。
　その結果、父親の怒りをかったサリアは家を追い出され、妹からも酷い追い討ちを受けて街の外までなんとか逃げ出す。
　そんな時、計画通りに事が進んだと、王子がサリアを助けにやってくるが、それでもサリアは王子を拒絶し、好意を受けるぐらいなら死ぬことを選択する。
　結局、自分の思い通りにいかなかったことに腹を立てた王子は全ては自分が立てた計画だと、サリアに伝えると、怒り逆上したサリアに殺されかけたために王子は逃げ出した。
　一人、残されたサリアは今までの自分の人生とはなんだったのかと自問自答し、自身の父と妹、王子に復讐を決意する。
　
　しかし、今までの怪我と疲労により、道半ばで倒れた所を、奴隷商人に拾われる。
　奴隷商人は、サリアの黒い心に目をつけて、彼女に手伝いを申し入れる。
　他に頼れるものも無いサリアは、その奴隷商人を利用することを選ぶ。

　そして奴隷商人の仕事の手伝いをする中でサリアは自身と似た目をした奴隷の少年と出会う。
　復讐を誓った少女と元奴隷の少年のが真実の愛を知る物語。