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『伊織』 

作者:無頼興索
最終エピソード掲載日:2025/11/23
人を観察するのが好きだった。

話し方、笑い方、息の速さ――すべてをノートに記録して「台本」と呼んでいた。
そうすれば、どんな人間にもなれると思っていた。

大学の演劇サークルで出会った“伊織”は、透にとって人間の理想形だった。
誰にでも優しく、嘘がなく、自然に笑える。
その完璧な呼吸を真似しているうちに、透の中の「俺」は少しずつ薄れていく。

ある日伊織が姿を消し、透は“伊織”として生き始める。
社会人になり、友人に囲まれて幸福そうに、穏やかな狂気の中で彼は笑う。

――模倣は、いつか本物に成る。

そして、誰も気づかないうちに“透”という人間は消えた。

幸福と崩壊がゆっくりと重なっていく、静かな心理幻想劇。
(カクヨムでも掲載中)
第1話 癖
2025/11/13 18:05
第3話 一本筋
2025/11/14 18:10
第5話 模倣
2025/11/16 18:10
第6話 成る
2025/11/17 18:10
第7話 境界
2025/11/18 18:10
第8話 なりきり
2025/11/19 18:10
第10話 残響
2025/11/21 18:10
第11話 透明
2025/11/22 18:10
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