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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

辺境の月姫は、今日ものんびり人を救う

作者:八咫
最新エピソード掲載日:2026/05/18
黒霊廟山――。

クレーデン王国で“死地”と恐れられる、呪われた辺境の山。

濃い瘴気と凶悪な魔物が棲みつき、生きて帰った者はいないと言われるその山で、銀髪の少女リヴはたった一人、のんびりと暮らしていた。

薬草を摘み、薬を作り、精霊たちと遊ぶ静かな日々。

三年前に祖母を亡くしたあとも、リヴは変わらず穏やかに過ごしている。

ただ一つ、彼女自身が知らないことがあった。

それは、自分が既に失われたはずの“古代魔法”を扱う、伝説級の存在だということ。

ある日リヴは、山の中で瀕死の青年を拾う。

黒髪と銀の瞳を持つ青年――ラルス。

彼は“一介の騎士”を名乗るが、その正体はクレーデン王国第二王子だった。

リヴの常識外れな治癒魔法を目の当たりにしたラルスは、この少女の危うさに気づく。

だが当の本人は、

「だいじょーぶだよ〜」

とのんびり笑うばかり。

伝説級の魔物すら「くまさん」と呼び、災厄級の結界を「おばあちゃんのお守り」だと思い込むリヴに、ラルスの胃痛は増える一方で――。

これは、黒霊廟山で静かに暮らしていた“月のような少女”が、知らぬ間に人々を救い、世界を少しずつ変えていく物語。

そして、一人の王子がそんな少女に振り回されながら、どうしようもなく大切に思ってしまう物語である。
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