表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

転生したらしいけどスキルデッドストックって何???

作者:真里 紗理奈
最新エピソード掲載日:2026/07/07
天照ひよりが異世界へ転生するよりもはるか昔、彼女の激動の人生は、日本のとある山奥にある「名もなき小さな村」から始まりました。
ひよりの生家は、古くからその村でひっそりと歴史を紡いできた、格式高くもどこか寂れた「名もなき神社」でした。広大な敷地の裏手には、千年の歴史を持つと言われる古びた蔵がいくつも立ち並び、そこには歴代の神主たちが集めてきた、あるいは人間たちの強い執念や愛着が宿って「付喪神(つくもがみ)」となった、数々の古き生活道具や文房具が眠っていました。
しかし、ひよりが5歳の時、村を襲ったある大きな災難、あるいは家を揺るがす大人の事情によって、彼女は両親と共に生まれ育った村を追われるように逃げ出すことになります。家族が命からがら身を寄せた新天地こそが、美しい瀬戸内海と豊かな潮風に包まれた街――広島県呉市でした。
呉の「れんが通り」の賑やかな雰囲気や、灰ヶ峰から見下ろす美しい夜景、そして美味しいたい焼きやスイーツの味は、幼いひよりの傷ついた心を優しく癒やしていきました。ひよりは呉の街を第二の故郷として深く愛し、実家の神社から持ち出してきた数々の「蔵のデッドストック(付喪神たちが眠る道具)」をリュックに詰め込んで大切に持ち歩きながら、いたって平凡で食いしん坊な、清純派一般女子高生へと健やかに成長していったのです。
――そして、ひよりが15歳になった、ある運命の夏の日。
高校の部活や買い食いの帰り道、ひよりは呉の街の小さな神社へと立ち寄り、遠い家族の健康と、今日の夕方のオヤツ(大好きなたい焼き)が無事に食べられるようにと、神様に心を込めてお詣りをしました。
「今日も美味しいものがたくさん食べられますように!」
パンパン、と清々しい柏手の音を響かせ、笑顔で境内の階段を下りていった帰り道のことでした。その日、呉の市街地では凶悪な逃走犯を巡る緊迫した大追跡劇が繰り広げられていたのです。
ひよりが神社の前の見通しの悪い交差点へと差し掛かったその瞬間、サイレンを激しく鳴らし、猛スピードで犯人の車両を追跡していたパトカーが、制御を失って視界の端から突っ込んできました。激しい金属音と悲鳴。ひよりは避ける間もなく、その車体に真横から激しく跳ね飛ばされてしまったのです。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ