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くしゃみの止まらない落ちこぼれ忍び、織田信長の弟・信勝に拾われました

作者:おさ
最新エピソード掲載日:2026/10/15
忍びなのに、くしゃみが止まらない。

隠密中でも――ぶえっくしょい!
潜入しても――ぶえっくしょい!
甲賀の里では「落ちこぼれ」と呼ばれ、ついには捨て駒として尾張へ送られた。

そんな才蔵には、ひとつだけ人にはない才能があった。

――耳が、とんでもなく良い。

人には聞こえない音を聞き、
言葉にされない嘘を聞き、
本人すら気づいていない「困りごと」まで聞いてしまう。

そこで出会ったのが、織田信長の弟・信勝だった。

身体は弱い。
転ぶ。
壁に手をついて歩く。

それなのに、誰よりも人に優しい。

斬りかかってきた者の事情を察し、
困っている者には飯を与え、
誰かの苦しみに気づけば放っておけない。

――ただし、自分自身のことだけは、何も分かっていない。

「僕は、何も困ってないよ」

その言葉を聞いた瞬間。

才蔵の耳には、
信勝の心臓が――二度、跳ねた。

「……嘘をついている音じゃない」

「嘘をついていると、知らない音だ」

聞こえるのに、自分のことは聞こえない。

そんな二人が出会ったとき、
戦国の歴史は少しだけ、変わったように見えて――

それでも。

織田信長。
織田信勝。
そして、尾張を取り巻く戦国の運命は、
二人のことを待ってはくれない。

くしゃみの止まらない落ちこぼれ忍びと、
優しすぎる神童。

これは、そんな二人が過ごした、
笑って、転んで、泣くことになる数年間の物語。
第一話 甲賀の鼻
2026/10/14 13:16 (改)
第二話 渡し場の産声
2026/10/14 13:20 (改)
第三話 井戸の底の音
2026/10/14 14:00 (改)
第四話 才蔵覚書
2026/10/14 15:00 (改)
第五話 虎の前で
2026/10/14 17:00 (改)
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