エルデーン世界記録集 ― Chronicle of Eldern
継ぎ宿十夜~旅人たちの色恋笑いばなし~
最新エピソード掲載日:2026/11/01
旅の恥はかき捨てというが、この宿の女将は書き留めていた。
街道の案内を書くため、荷継ぎの町ケーデを訪れた物書きユーゴ。雨で坂が崩れ、足止めされた宿で見せられたのは、女将が二十年あまり書きためてきた、旅人たちの話の束だった。
寝床を間違えた船乗り。
「隣の家の話だ」と言い張る染め屋。
辞書は読めても、娘の誘い文句が読めない学生。
亭主の見栄、女房の機転、隠したつもりの色恋沙汰。
酒の席で語られた話には、笑ったあとで少しばかり引っかかるものがある。
これは売れる。
そう思ってしまった物書きは、百ほどの話から十話を選び、一冊に清書する。
異世界の街道を行き交う人々の、可笑しくも艶のある暮らしを拾った短編集。本当にあった話かどうか。それを確かめるのは、野暮というもの。
街道の案内を書くため、荷継ぎの町ケーデを訪れた物書きユーゴ。雨で坂が崩れ、足止めされた宿で見せられたのは、女将が二十年あまり書きためてきた、旅人たちの話の束だった。
寝床を間違えた船乗り。
「隣の家の話だ」と言い張る染め屋。
辞書は読めても、娘の誘い文句が読めない学生。
亭主の見栄、女房の機転、隠したつもりの色恋沙汰。
酒の席で語られた話には、笑ったあとで少しばかり引っかかるものがある。
これは売れる。
そう思ってしまった物書きは、百ほどの話から十話を選び、一冊に清書する。
異世界の街道を行き交う人々の、可笑しくも艶のある暮らしを拾った短編集。本当にあった話かどうか。それを確かめるのは、野暮というもの。