「距離をおきたい」って、物理的に！？～ちゃんと伝えてくれないと困ります～

婚約者であるオズワルド様に告げられたのは、突然の婚約解消。わたしはそれを受け入れるしかなかった。だって彼は彼女と恋に落ちたから。　
屋敷で暮らす日々は決して平穏ではなかった。亡き両親の代わりに後見となったのは冷酷な叔父夫婦。彼らの息子である従兄弟がわたしに向ける視線は日に日に欲望を帯び、わたしの居場所を蝕んでいく。　
もうここには居られない。オズワルド様の名も彼の恋人の話も耳にしたくない。わたしは王都を離れることを決意した。　
けれど、逃げた先で待っていたのは安息ではなかった。 思いがけない事件に巻き込まれ、わたしの運命は一つの真実へと導かれていく。