妹が「白いマントは私の方が似合います」と言うので、英雄の婚約者席も凱旋式の役目も譲りました。ですが遺族席を忘れていたようです【連載版】
最新エピソード掲載日:2026/05/24
「英雄の隣に立つなら、白いマントはわたくしの方が似合いますわ」
侯爵令嬢リディアは、王国の若き英雄アルバート・グランヴィルの正式な婚約者として、凱旋式の準備を支えてきた。
凱旋式は、勝利した英雄を讃える華やかな式に見える。
だが実際は、帰ってきた兵を迎え、帰らなかった兵の名を呼び、遺族へ敬意を示し、負傷兵の導線を守る「帰還と追悼」の式だった。
妹イレーネはその意味を知らないまま、英雄の隣に立つ白いマント姿に憧れる。
アルバートもまた、明るく華やかな妹を選んだ。
ならば、とリディアは婚約者席も凱旋式の役目も静かに譲る。
迎えた凱旋式当日。
妹は花と音楽を増やし、遺族席を後ろへ下げ、戦死者の名を省いた。
そして英雄の隣で微笑んだ瞬間、最前列にいるはずだった遺族たちが立ち上がる。
負傷兵たちは敬礼を下ろす。
民の拍手は、止まった。
崩れた凱旋式の広場で、リディアを見ていたのは、王国軍総司令官である辺境公爵カシアン・ヴァルク。
「君は英雄を飾っていたのではない。英雄が英雄でいられる場所を守っていた」
これは、英雄の隣を譲った令嬢が、帰らなかった者の名を守る仕事を得て、本当の居場所と恋を選び直す物語。
侯爵令嬢リディアは、王国の若き英雄アルバート・グランヴィルの正式な婚約者として、凱旋式の準備を支えてきた。
凱旋式は、勝利した英雄を讃える華やかな式に見える。
だが実際は、帰ってきた兵を迎え、帰らなかった兵の名を呼び、遺族へ敬意を示し、負傷兵の導線を守る「帰還と追悼」の式だった。
妹イレーネはその意味を知らないまま、英雄の隣に立つ白いマント姿に憧れる。
アルバートもまた、明るく華やかな妹を選んだ。
ならば、とリディアは婚約者席も凱旋式の役目も静かに譲る。
迎えた凱旋式当日。
妹は花と音楽を増やし、遺族席を後ろへ下げ、戦死者の名を省いた。
そして英雄の隣で微笑んだ瞬間、最前列にいるはずだった遺族たちが立ち上がる。
負傷兵たちは敬礼を下ろす。
民の拍手は、止まった。
崩れた凱旋式の広場で、リディアを見ていたのは、王国軍総司令官である辺境公爵カシアン・ヴァルク。
「君は英雄を飾っていたのではない。英雄が英雄でいられる場所を守っていた」
これは、英雄の隣を譲った令嬢が、帰らなかった者の名を守る仕事を得て、本当の居場所と恋を選び直す物語。
第一話 白いマントは、英雄を飾るためだけのものではありません
2026/05/22 18:10
第二話 私は婚約者ではないので、遺族席には触れません
2026/05/22 18:40
第三話 凱旋式は、拍手より先に沈黙しました
2026/05/22 19:10
第四話 帰らなかった者の名を、今から呼び直します
2026/05/23 18:10
第五話 総司令官は、私を気の毒な令嬢とは呼ばない
2026/05/23 19:10
第六話 慰霊式の準備は、勝利よりも手順が重い
2026/05/24 18:10
第七話 白いマントの意味を、あなたはまだ知らない
2026/05/24 19:10