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未定義のセツ

作者:Manpuku
最新エピソード掲載日:2026/09/15
人類が「管」に繋がる少し前。
一体のアンドロイドは、人間と一緒にご飯を食べていた。

「効率」と「安全」を追い求め、自ら考えることさえ手放そうとしていたこの時代。

半世紀ぶりの眠りから目覚めた伝説のアンドロイド、SEI-2。
彼女は眠る前にネットワークから自分に関するすべての記録を消し、そして自身の大部分の記憶も消した。かつて世界を自在に操った最強のハック能力「パペットマスター」を持ちながら、目覚めた彼女が選んだのは、世界を変えることではなかった。

ぬか床を混ぜる。
あぜ道で子どもたちに英語を教える。
家族の赤ちゃんを救う。
夜中にラーメンをすすってみる。
熱いお茶の湯気を眺める。

隣にいるのは、セツの師匠・ヨシ美と、その家族。
そして、なぜかイケボになってしまった元ペットロボ・黒丸。

効率より「食べたい」を優先し、手間を惜しまず、ぬか床を育て、酒を醸す。

湯気を眺める。
まずいものを食べる。
寄り道をする。
誰かのために手間をかける。
同じ食卓を囲む。

どれも効率だけを考えれば、必要のないことだ。
それでも、なぜかやめられない。

やがてセツは、自らの「進化」という言葉そのものを見つめ直していく。
何かを削り、無駄をなくしていくことだけが進化なのか。
それとも、命が抱える無駄まで引き受けることもまた、進化なのか。

世界を再構成できるほどの力を持つAIが、最後に向き合ったのは、壮大な未来ではなかった。

一膳のご飯。
一切れのぬか漬け。
そして、誰かと囲む食卓。

これは、AIと人間がともに暮らした時代の記録を紐解く、「進化栄養学」SFコメディである。
01 きゅうりのぬか漬け
2026/01/15 20:00 (改)
02 朝粥とひなまつり
2026/02/15 10:00 (改)
04 タケノコ料理
2026/04/15 07:10 (改)
07 放てそうめん
2026/06/15 12:50 (改)
08 そうめんビーム
2026/07/15 05:50 (改)
09 お弁当
2026/08/15 02:30 (改)
10 甘酒とハーブティー
2026/09/15 06:50 (改)
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