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平凡聖女、筆頭になるつもりはありません〜神殿は奇跡だけでは回らない 〜

最終エピソード掲載日:2026/05/27
 神殿勤め十二年。
 中堅聖女フローリア・ロシニョールは、自分を「どこにでもいる平凡な聖女」だと思っている。

 治癒の腕は悪くない。むしろ、それなりに優秀だ。
 だが、飛び抜けた奇跡は起こせない。
 だから彼女の仕事は、包帯を補充し、薬品を整え、治療室を片づけ、誰かが起こした騒ぎの後始末をすることが主だった。

 ――それで十分。
 目立たず、巻き込まれず、それが一番。
 ……そう思っていたのに。

 ある日、長年神殿を支えてきた筆頭聖女が引退を宣言し、次代を決める「筆頭聖女レース」が始まる。

 候補者は三人。
「失敗しない」と言い切る孤高の天才。
 腕まくりが似合う圧の強いベテラン。
 善意だけは誰にも負けない、規格外の天然娘。

 誰が次代を担うのか――誰もがそう注目するなか、なぜかフローリアだけは、毎回その騒動の“後始末”を任されることになる。
 怪文書、派閥争い、医療事故、そして神殿内で勝手に始まるトトカルチョ。

 これは、奇跡を起こす聖女たちの物語ではない。
 奇跡が絶えないよう、日々それを支え続けてきた、ひとりの中堅聖女の物語である。
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