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異世界召喚は未成年者略取ですよね?

作者:門松一里
最新エピソード掲載日:2026/06/19
 深夜の霧雨の中、少女・菊川美幸と私服刑事・高村静香は、刃物を手にした男に追われていた。二人は民生委員協力員・香西鑑のBMWに逃げ込むが、大型トラックと衝突し、閃光の中で異世界へと転移する。

 目を覚ました高村は、見知らぬ王国ダランベールの宮廷に保護されていた。美幸は「勇者」として召喚された存在であり、国家の庇護下に置かれていると告げられる。さらに高村は、未成年である美幸の「後見人」に任命される。しかし高村は、この召喚が本人の意思を無視したものであり、「未成年者略取」に等しいのではないかと疑問を呈する。

 一方、美幸はこの世界を受け入れていた。現実世界では家庭内暴力や学校でのいじめに苦しみ、救済を求めていた彼女にとって、異世界は「望まれた場所」でもあった。自ら助けを求めた結果として召喚されたという認識を持ち、元の世界を否定する意識さえ芽生え始めていた。

 王国は魔王軍との戦争状態にあり、美幸はその討伐の切り札とされる。高村は警察官としての倫理と責務の間で葛藤しながらも、美幸の意思を尊重しつつ現地での適応を進めていく。教育、軍事訓練、魔法の習得が進む中で、美幸は圧倒的な魔力量を持つ「特殊者」であることが判明し、その力は制御不能なほど強大であった。

 そのころ香西鑑は、地下牢に拘束されていた。彼は異世界召喚という制度に疑念を抱き、国家による「勇者運用」は倫理的に許容されるものではないと判断する。尋問に対しても協力を拒否し、「子供を戦場に送ることはできない」と明言した結果、反逆罪に問われ、拘禁刑を宣告される。さらに制裁として視力を奪われるに至る。

 それでも香西は思考を止めず、異世界の法体系・魔術構造を分析し続ける。やがて同じく拘束されていた美少年ジョシュアの協力を得て、脱獄に成功する。

 物語は、三者三様の立場から「異世界召喚」という行為の本質を問う構造を持つ。それは救済なのか、それとも略取なのか。本人の意思、国家の正義、倫理的責任が交錯する中で、「勇者」という制度そのものが問い直されていく。

 高村は後見人として、美幸の意思と安全の両立を模索する。美幸は現実からの逃避として異世界を受け入れながらも、その選択の重さと向き合うことになる。

 そして、盲目となった香西の脱出を契機に、物語は王国の内部構造と召喚の真相へと踏み込んでいく。

1.異世界召喚
1−3.虜囚
2026/06/06 11:05
1−4.判決
2026/06/06 14:53
2.逃走
2−1.聖泉
2026/06/19 13:47
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