臆病者が世界の果てを目指すのは無謀ですか?
最新エピソード掲載日:2026/11/07
「その湖、どこにあるんですか?」
「……分からないんです」
「……すごい」
場所も分からない湖の話に、少年は目を輝かせた。
まだ誰も見たことのない景色が、どこかにあるかもしれない。
けれど彼は、冒険者ギルドの扉を一度も開けられずにいる。
ヴァン・エンデリオン、十六歳。
毎朝、剣を振ってきた。魔物の本は、すり切れるほど読んだ。鞄の底には、折り目だらけの冒険者登録申請書。
扉に手を伸ばすたび、思い出す。冒険に出たまま帰らなかった父と母の「ただいま」を待っていた日のことを。
ヴァンの働く酒場を訪れた、上級冒険者エリシア・アストレイン。
彼女が探す「星降る湖」には、星に還った人にもう一度会えるという言い伝えがあった。
星が降るところを見てみたい。
そして、もし本当に会えるなら。父さんと母さんに今度は僕が、冒険の話をしたい。
いつか、仲間と世界の果てへ。
その前にヴァンには、自分の手で開けたい扉がある。
「……分からないんです」
「……すごい」
場所も分からない湖の話に、少年は目を輝かせた。
まだ誰も見たことのない景色が、どこかにあるかもしれない。
けれど彼は、冒険者ギルドの扉を一度も開けられずにいる。
ヴァン・エンデリオン、十六歳。
毎朝、剣を振ってきた。魔物の本は、すり切れるほど読んだ。鞄の底には、折り目だらけの冒険者登録申請書。
扉に手を伸ばすたび、思い出す。冒険に出たまま帰らなかった父と母の「ただいま」を待っていた日のことを。
ヴァンの働く酒場を訪れた、上級冒険者エリシア・アストレイン。
彼女が探す「星降る湖」には、星に還った人にもう一度会えるという言い伝えがあった。
星が降るところを見てみたい。
そして、もし本当に会えるなら。父さんと母さんに今度は僕が、冒険の話をしたい。
いつか、仲間と世界の果てへ。
その前にヴァンには、自分の手で開けたい扉がある。