ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『み使いは黙って木を植える』 ――一億二千三百万人の夏

あらすじ
2026年、日本の総人口は約一億二千三百万人。数字だけなら1990年頃とほぼ同じだが、増加していた時代の日本と、少子高齢化によって縮小する現在では、その中身も社会の空気も大きく異なっていた。さらに地球温暖化と自然破壊が進み、東京では命に関わる酷暑と豪雨が日常になっている。

板橋区の団地で祖母と暮らす十五歳の相沢未来は、四十度に迫る暑さの夜、公園へ光が落ちるのを目撃する。駆けつけた未来が見たのは、光の翼を持つ一人のみ使いだった。

エルと名乗ったみ使いは、世界を一瞬で変える奇跡を起こさない。乾ききった土を掘り、一本ずつ木を植え、バケツで水を運び続ける。その姿がネットで拡散されると、小学生、高齢者、会社員、外国人家族など、一人また一人と活動へ参加するようになる。

やがて、長く花の消えていた公園の遊歩道は、十年ぶりにキバナコスモス、アカマンマ、ミントで埋め尽くされる。蝶や蜂が戻り、人々の笑い声も戻ってくる。

ところが、蚊や虫への苦情を受けた区役所は、遊歩道の草花をすべて伐採してしまう。翌朝、そこに残されていたのは、何も生えていない乾いた土と、殺風景な景色だけだった。

未来たちが怒り、ネットで区役所への非難が燃え上がるなか、エルは誰も責めない。刈られた草を集めて土へ戻し、再び黙って木を植え始める。

自然を守りたい人、虫を恐れる人、公園を管理する職員、注目を集めたい配信者。それぞれの事情と正義が衝突するなか、未来たちは気づいていく。地球を救うのは、み使いが起こす一度の奇跡ではない。失敗しても話し合い、何度刈られても植え直し、命と暮らしの両方を守る仕組みを作る人間の行動なのだ。

そして巨大台風が東京へ迫るとき、一本の苗木から始まった小さな活動が、町に住む人々の命を救うことになる。

これは、沸騰する地球へ降り立ったみ使いと、彼の背中を見て立ち上がった人々が、未来へ小さな森を残すまでの物語。
本文へのAI利用

AI生成物を下書きや素材として本文の創作に間接的に利用している(単なる誤字修正やアイデア出しは除く)

Nコード
N9834MO
作者名
花守かおるこ
キーワード
キーワードが設定されていません
ジャンル
ローファンタジー〔ファンタジー〕
掲載日
2026年 08月10日 07時09分
最終掲載日
2026年 08月10日 23時12分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
0pt
評価ポイント
0pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
52,151文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N3045MP| 作品情報| 連載(全3エピソード) | ハイファンタジー〔ファンタジー〕
「妖精なんて、薬草摘みがお似合いだろ」 森から人間の街へやってきた小さな妖精シルフィは、冒険者ギルドで最低ランクのFランクを与えられ、周囲から「羽虫」「マスコット」と笑われていた。 それでもシルフィは怒らなかった。 //
N2346MP| 作品情報| 連載(全3エピソード) | ヒューマンドラマ〔文芸〕
定年退職の日、67歳の夫・秀夫は、妻の恵子から一枚の離婚届を差し出された。 「これからの人生、別々に歩みましょう」 家族のために四十年以上働いてきた秀夫には、妻が離婚を望む理由が分からない。 しかし、恵子にとっては//
N4712MH| 作品情報| 連載(全28エピソード) | 純文学〔文芸〕
春の雨に濡れても、 桜は黙って花を咲かせる。 誰かに見せるためではなく、 誰かに褒められるためでもなく、 ただ季節が来たからと、 静かに咲く。 そんな花に似た人がいる。 朝早く起きて弁当を作る人。 家族の無事を祈る//
N8167ME| 作品情報| 連載(全55エピソード) | 純文学〔文芸〕
季節の織り糸 春は まだ冷たい風の中に ひとすじの若葉色を織り込んでいく 名も知らぬ花が 道ばたで小さく笑うたび 眠っていた心の糸がほどける 夏は 陽だまりの匂いを抱えながら 青空へ白い雲を縫いつける 蝉の声は激//
N1700MP| 作品情報| 完結済(全14エピソード) | ヒューマンドラマ〔文芸〕
「十年間、親の介護をしてくれてありがとう。おつかれー。じゃあ、離婚しよう」 義母の葬儀を終えた夜、立花葵は夫・圭介から、あまりにも冷たい言葉を告げられた。 結婚してから約十年。 葵は夫の両親と同居し、認知症を患った//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ