- あらすじ
- 砂に埋もれた国だった。
風は熱を運び、
人は希望を失い、
空でさえ乾ききっていた。
誰も彼女を覚えていない。
帝国の地下で、
破れた水路を縫い、
崩れる壁を繕っていた少女を。
「戦えぬ魔導士に価値はない」
その言葉ひとつで、
彼女は国ごと捨てられた。
けれど――
彼女の指先は、
誰かを傷つけるためではなく、
誰かを生かすためにあった。
砂漠の夜。
冷え切った子供の肩へ、
温度を編み込んだ布をかける。
灼熱の昼。
働く女たちの肌を守るように、
砂を弾く衣を仕立てる。
水なき大地には導水路を。
絶望した街には灯りを。
そして人々には、
「自分は美しく生きていいのだ」と思える服を。
彼女が縫っていたのは、
ドレスではない。
明日だった。
やがて砂の国に、
色彩が戻る。
青いターバンが風を受け、
黄金のベールが陽光を踊らせ、
星空を映すドレスが夜を照らす。
滅びを待つだけだった王国は、
いつしか世界で最も眩しい国になった。
追放された魔導士はもう、
誰かの裏方ではない。
人を守るための美しさを知る、
国家の設計者。
砂塵の彼方、
今日も彼女は針を持つ。
誰も取り残さない未来を、
この世界へ縫い付けるために。
- Nコード
- N8190ME
- 作者名
- かおるこ
- キーワード
- キーワードが設定されていません
- ジャンル
- 異世界〔恋愛〕
- 掲載日
- 2026年 05月15日 02時47分
- 最終掲載日
- 2026年 05月15日 03時54分
- 感想
- 0件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 4件
- 総合評価
- 30pt
- 評価ポイント
- 22pt
- 感想受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 25,313文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『砂塵のドレスと魔法の導水路 ~追放されたインフラ魔導士、最果ての砂漠で至高のランウェイを築く~』
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから
同一作者の作品
N5909MG|
作品情報|
連載(全2エピソード)
|
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
「愛さなくて結構」と微笑んで
私が脱ぎ捨てたのは 重すぎるドレスと王妃の座
きらびやかな王都に 未練なんて1ミリもないわ
だって見て、この見渡す限りの青い空!
「真実の愛」とやらを見つけた元婚約者様
どうぞお幸せに、と//
N1341MF|
作品情報|
連載(全9エピソード)
|
その他〔その他〕
作品管理とトレンド分析
N5431MG|
作品情報|
完結済(全12エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
私はずっと、
雨の降らない庭の花でした。
咲けと言われ、
癒やせと言われ、
守れと言われ、
ただひたすら光を差し出していたのに、
誰も私の名を呼ばなかった。
誰も私の手を握らなかった。
誰も、
「ありが//
N5324MG|
作品情報|
完結済(全11エピソード)
|
推理〔文芸〕
夕映えのオフィスに、冷たい風が吹く
あなたが守りたかったのは
歪んだ数字と、崩れゆくプライド
愛を誓ったその口で
規律(ルール)を欺き、人を蔑み
「バレなければいい」と、傲慢に笑った
社会の波間に消えてゆく
モラルを//
N5148MG|
作品情報|
完結済(全15エピソード)
|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
# 招かれざる定員オーバー
静かな夜を
ふたりで分け合うはずだった
お気に入りのワイングラス
北欧風の照明
観葉植物の葉先を揺らす
エアコンのやさしい風
二人暮らしには
少し広すぎる部屋が
ちょうどよかった
その//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。