- あらすじ
- 火葬技師として働く私は、火葬のあとにごくまれに残る小さな白い欠片を、この町で「残芯」と呼ぶことを知っている。遺された者が死を受け取るための形として、私はときにその欠片を見つけ、ときに似たものをそっと差し出してきた。誰のものとも知れない白さが、誰かを泣かせ、誰かを救うことがあるからだ。
けれど、十二月の終わりに母が死んだ時、骨の中にはどこにも“それらしいもの”がなかった。兄だけを愛し、父の失踪のあとも私をまっすぐ見なかった母。憎み切れず、愛し切れず、最後まで平らなまま残ったその死に、私は自分のための残芯を欲しがっていることに気づく。
骨に残るものと、死んだあともこちらの手つきを変えてしまうもの。そのあいだに残る、どうにも名前のつかないものを見つめる物語。 - Nコード
- N4365MB
- シリーズ
- 純文学作品まとめ
- 作者名
- 文月ナオ
- キーワード
- 家族 母娘 喪失 死 遺族 死別 火葬場 火葬技師 骨 記憶 不在 罪悪感 ヒューマンドラマ
- ジャンル
- 純文学〔文芸〕
- 掲載日
- 2026年 04月19日 12時08分
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- 5,650文字
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残芯
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