- あらすじ
- 「すまない。ネーヴェが発作を起こした」
婚約披露の朝に届いた書き置きは、これで三度目でした。
王立薬院の薬師ノエラ・ハースは、怒りませんでした。怒る代わりに、往診鞄を持ちました。
十年、病室の外へ出ていない幼馴染のネーヴェ・クーレ。婚約者ダニエルが、十年欠かさず通いつづけている娘。その枕元に立って、ノエラは薬瓶の栓を抜き、匂いを嗅いで――気づいてしまいます。
この方を弱らせているのは、病ではない。十年出されつづけた、この鎮静水のほうだと。
そしてネーヴェは、泣きながら告白します。
「……治ったと言ったら、あの方は、もう来てくださらないでしょう?」
ノエラは婚約指輪を外し、薬瓶の横に置きました。
「では、治しましょう。あの方がわたしたち二人を不幸にするための、口実ごと」
減薬に二十週。〈|代診《だいしん》〉には本人の求めと、主治医への通知と、七日の猶予が要ります。恋敵を治す薬師と、治りたくなかった娘と、妹の薬を十年、一度も確かめなかった監察医の話です。
必要とされることは、愛されることではありませんでした。
- Nコード
- N2792MO
- 作者名
- くらたん
- キーワード
- コミックルーム大賞 アイリスIF9大賞 ESN大賞11 女主人公 職業もの ハッピーエンド 身分差 薬師 幼馴染 女の友情
- ジャンル
- 異世界〔恋愛〕
- 掲載日
- 2026年 08月04日 00時26分
- 最新掲載日
- 2026年 08月06日 12時30分
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- 文字数
- 21,854文字
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婚約者の想う病弱な幼馴染を完治させて、薬師のわたしは身を引きます ~「あの子は病気だから」が使えなくなる日まで、あと二十週~
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