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海に沈む学校 ――夜の校内放送が告げる。「今日の欠席者は一名」

最終エピソード掲載日:2025/11/13
 地震で孤立した孤島の中学校。
 校舎の周囲には海水が満ち、連絡橋は崩落し、生徒たちは校舎上階に取り残された。

 夜、停電しているはずの校内にチャイムが鳴る。

「これより、帰りの会を始めます」
「二年三組、出席を取ります」

 壊れたはずの放送設備から聞こえてきたのは、現在の教師ではない女の声だった。
 名前を呼ばれた生徒たちは、恐怖に震えながら返事をしてしまう。
 そして放送は最後に告げた。

「今日の欠席者は、一名」

 翌朝、真帆の友人・白石朱里が消えていた。
 机も、名簿も、写真も、クラスメイトたちの記憶さえも、朱里が最初から存在しなかったかのように書き換わっていく。

 真帆、海斗、結衣、蓮は、旧校舎に残された二十一年前の出席簿を見つける。
 そこには、過去に「欠席」として処理された子どもたちの名前と、真帆と同じ名前の少女が記されていた。

 これは怪異なのか。
 それとも、学校が隠した過去の罪なのか。

 海に沈む校舎で、最後の出席確認が始まる。

――
登場人物
五十嵐真帆:本土から島へ転校してきた二年三組の女子生徒。消えた友人の名前を守ろうとする。
白石朱里:真帆の友人。夜の放送後、最初の欠席者として名簿と記憶から消える。
百瀬海斗:島の漁師の家の少年。海に詳しく、二十一年前の事故で祖父が汚名を着せられている。
黒瀬結衣:二年三組の委員長。町議の父を持ち、過去の隠蔽資料を見たことがある。
辻本蓮:不登校気味の男子。旧校舎と放送設備に詳しく、欠席という言葉に強い恐怖を抱く。
有馬先生:二年三組の担任。過去の隠蔽を知り、旧放送装置を起動させてしまう。
灰谷校長:島の中学校の校長。二十一年前の事故現場にいた人物で、本物の出席簿を隠していた。
五十嵐沙和子:真帆の母。二十一年前、この学校で教育実習生として事故に遭遇した。
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