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5話で完結する、少し特別な恋愛物語

義妹のノートを開いたら、『兄さんを監禁しないためのルール』が書かれていた

作者:澄野 朔
最終エピソード掲載日:2026/10/12
 二十八歳の会社員・高瀬直人は、両親の再婚で義妹になった二十四歳の澪と二人で暮らしている。家事が得意で少し過保護な澪を、直人はこれまで「ちょっとブラコンな妹」くらいにしか思っていなかった。

 そんなある日、直人は偶然、澪のノートを開いてしまう。

『兄さんを監禁しないためのルール』

 一、兄さんのスマホを勝手に見ない。
 二、女性の連絡先を消さない。
 七、兄さんの鞄にGPSを入れない。
 十二、兄さんの会社へ勝手に退職届を送らない。
 十九、玄関の鍵を外から開かないものに交換しない。

「……これ、何?」

「実行しないための一覧です」

「実行することを考えたことはあるんだ?」

「考えるだけなら自由なので」

 書かれている内容だけを見れば、かなり怖い。ところが澪は、本当にそのどれも実行していなかった。直人のスマホを覗くことも、女性との食事を邪魔することもなく、自分の中に浮かぶ危ない衝動を「やらないこと」として一つずつノートに書き足している。

 兄を自分だけのものにしたい。それでも、兄の自由は奪いたくない。

 そんな矛盾した義妹のことを知るほど、直人の中でも澪を見る目が少しずつ変わっていく。

 ただ一つ気になるのは、そのノートの最初のページだけが、きれいに破り取られていることだった。
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