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海道グループ〜欲望の王国で女達は頂点を奪い合う〜

作者:Fujeno Yasuko
最新エピソード掲載日:2026/06/09
今夜、藤野靖子はひとりの男に抱かれる。

政財界の大物すら声を落とす、金と権力と欲望を束ねる男。
その男の部屋の前に、靖子は立っていた。

なぜ、この女がそこにいるのか。

藤野靖子は本来、夜の世界の女ではなかった。昼のジムで働く、平凡なスポーツトレーナーだった。健康的な笑顔、鍛え上げた身体、真面目な仕事。客の身体を整え、汗を流し、ささやかだが前向きな日常を送っていた。

だが、少し未来の日本の話、日本は、少しずつ壊れ始めていた。経済の低迷、広がる格差、貧困、治安への不安、移民問題による社会の軋み、立ちんぼの売春。人々が余裕を失い、不安と欲望を抱える時代の中で、ひとつの企業が静かに力を伸ばしていく。

海道グループ。

表向きは警備、医療、福祉、人材、投資、富裕層向けサービスを扱う巨大企業。しかしその裏では、政財界の大物や選ばれた男女が集う秘密の夜宴を支配していた。

日本が弱るほど、その企業は強くなった。治安が乱れれば警備が売れ、貧困が広がれば人が集まり、富裕層が不安を抱けば閉じた快楽と安全を求める。

その王国に、靖子は見出された。

ただ健康的なだけではない。男の視線を奪い、女の嫉妬を呼び、場の空気を変える肉体と明るさ。彼女の中に眠る価値を、海道グループは見逃さなかった。

そして今、靖子を待つ男の名は、海道勝。

これは、平凡なスポーツトレーナーだった藤野靖子が、欲望と権力の王国で、自分の身体と心を武器に女王へ変わっていく物語である。
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