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処刑されて幽霊になりましたが「わたくしの死に負い目のある方」にだけ見えるそうです ~たった一人やさしくしてくださるあなたを、疑わないわけにはまいりませんの~

作者:月城 友麻
最新エピソード掲載日:2026/08/02
 九の月十七日。わたくしは、王弟殿下を毒殺した罪で首を落とされました。

 二十一年生きて、無実で、二十一歳でございます。

 目を開けると、わたくしは広場に立っておりました。足元に、わたくしが倒れております。

 誰も、わたくしを見ません。父も。婚約者だった方も。

 ただお一人、若い医官の方が立ち止まって、わたくしの名を呼ばれました。

 わたくしが見えるのは、わたくしの死に負い目のある方だけ。

 ですから、毒を入れた方でも、それを過ちだと思っておられなければ、わたくしは見えません。

 そして。

 わたくしにやさしくしてくださるということは、その方に負い目がおありだということ。

 ――わたくしは、あなたを疑わないわけにはまいりませんの。

 しかも、この理は始末が悪うございます。

 償いの済んだ方には、翌朝からわたくしが見えません。声も届きません。

 つまり、誰かをお救いするたび、わたくしはその方から消えるのです。

 わたくしの無実が証されれば、皆様の負い目は晴れます。

 そのとき、わたくしを見る方は、この世に一人もいなくなります。


 ――――数えてまいります。わたくしが見える方を、お一人ずつ。

 その数が、あの晩に何が起きたかを教えてくれますから。
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