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幽霊屋敷に住み着いた私に、屋敷の主だった亡霊が恋をした。

作者:てん
最終エピソード掲載日:2026/08/17


家なき令嬢セシルが選んだのは、誰も住みたがらない「呪われた屋敷」だった。

理由は単純。家賃が、信じられないほど安かったから。

初めての夜、本当に幽霊が現れた。

屋敷の元主人だったという騎士アーロンの霊。人を襲うどころか、井戸の水の汲み方から食べられる野草まで、甲斐甲斐しく世話を焼いてくる。

「なぜ私を襲わないんですか」
「お前を怖がらせたくない」

触れられない距離で、少しずつ心を通わせていく二人。しかしセシルは気づいてしまう——感情が動くたびに、アーロンの姿がわずかに薄くなっていくことに。

このままでは、いつか消えてしまう。

古い書庫で見つけた手記が、十五年前の真実へと繋がっていた。アーロンの死は「病死」ではなかった。屋敷を継いだ弟による、隠された事件——。

「消える前に、知りたいことがある」

真実を暴くほどに近づく別れの時。それでも彼女は、諦めなかった。

生と死を越えて、この人と一緒にいたい——。

十五年の孤独と、たった数ヶ月の恋が交差する、切なくも温かい物語。
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