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俳句 楽園のリアリズム(パート1ーその1)


 気軽に読んでいただけるようにひとつのパートを小分けにしようと思ったのですがどうしても俳句作品をいれたくて少し長くなってしまいました。原稿用紙換算で1200枚以上ある本稿が本になったなら、その本には終わりというものはありませんし、それをくりかえし何度も読んでいただいては、全編にちりばめられたすぐれた俳人たちの約700句の俳句をくりかえし味わっていただくほどに(小説とかの普通の本みたいに一気に読みあげてもほとんど意味ないし)読者の感性がしぜんと変革されて喜びの感情そのものが蜜のように甘美で味わい深いものに変わり、そうして、詩的想像力や詩的感受性や詩的言語感覚がしぜんと育成され、いやでも、人生そのものがグレードアップして、そのうち、いやでも、ふつうの詩の読者になることまでが当然の結果と考えられます。つまり、いつまでも手ばなすことのできない、読んでいただいた方の一生の宝物になってもおかしくない本になるはずと思っています。

 さっきパート13のこの部分に書いたことですが、本末転倒を避けるために、おなじことを最初のここにも写しておきます。
 本になった私の作品を「一生の宝物」としてくりかえし読んでいただくことを想定して、バシュラールの言葉をずらりと並べている箇所がいたるところにありますが、気楽に読み流してください。3回目とか7回目とかその時点、時点で心から納得できる断片的な言葉が少しずつ増えていけば、それで十分。正直いってバシュラールの思想なんてどうでもいいのであって、本書の目的は、とりあえずはそれなりのポエジーを味わうこと、そのうち、本格的な極上のポエジーを味わってしまうこと、ただそれだけなのですから。 

 ただ、俳句作品の前に添えられていて私たちがポエジーを味わうための手助けをしてくれる言葉だけは、心をこめてじっくり読んでいただく必要がありますけれど。
 
 なんでもない世界を写生しただけのような俳句作品が、結果として、幼少時代とおなじ、楽園のように美しい世界をリアルに写生してしまっているという事実に気がついたのが、「俳句 楽園のリアリズム」というタイトルの由来です。
 
 「何ごとも起こらなかったあの時間には、世界はかくも美しかった。わたしたちは静謐な世界、夢想の世界のなかにいたのである」「世界は今もなお同じように美しいだろうか」(ガストン・バシュラール)


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