黄金の鳩
最終エピソード掲載日:2026/05/14
四月の朝、練馬区の石神井公園に金色の鳩が一羽現れた。
SNSが燃えた。テレビが燃えた。鳥類学者は「前例がない」と言い、スピリチュアル系インフルエンサーは「天の使い」と言い、動物愛護団体は「虐待だ」と言った。鳩は何も気にせず、ベンチとフェンスの間を歩き回った。
鳩は増えた。百羽になり、三百羽になり、世界中に広がった。金相場が動いた。宗教団体が乱立した。軍が動いた。そして母船が来た。
騒乱の中、石神井公園のベンチにはいつも一人の男がいた。缶コーヒーを飲んで、たまごっちの世話をして、ゴミ箱に空き缶を投げた。きれいに入った。
世界が「これは何だ」と問い続けた三ヶ月間、男はただそこにいた。
これは、くだらない顛末の話である。
SNSが燃えた。テレビが燃えた。鳥類学者は「前例がない」と言い、スピリチュアル系インフルエンサーは「天の使い」と言い、動物愛護団体は「虐待だ」と言った。鳩は何も気にせず、ベンチとフェンスの間を歩き回った。
鳩は増えた。百羽になり、三百羽になり、世界中に広がった。金相場が動いた。宗教団体が乱立した。軍が動いた。そして母船が来た。
騒乱の中、石神井公園のベンチにはいつも一人の男がいた。缶コーヒーを飲んで、たまごっちの世話をして、ゴミ箱に空き缶を投げた。きれいに入った。
世界が「これは何だ」と問い続けた三ヶ月間、男はただそこにいた。
これは、くだらない顛末の話である。