異世界へ転生したことにする　～狂風勇士隊迷妄伝～

『狂風勇士隊』の四人は帝都最強の魔物討伐部隊と畏怖されながら、魔物よりも忌み嫌われていた。
　帝都一の『卑怯陰険』で知られる隊長ギブファットは突然に正気を失い『魔物がいない異世界』の学園小説のごとく、むやみな優しさをふりまきはじめる。
　新しい人格は異様な人気を集め、王位継承争いにも巻きこまれ、闇小説に書かれていた『身分差のない社会制度』への関心も高まり、内乱の動きまで広まってしまう。
　いっぽう。
　帝都一の『冷酷残忍』で知られる副官ワラレアはギブファットの治療を急いでいるつもりが、異世界小説の狂信者たちから信奉を集めてしまう。
　帝都一の『人格破綻』で知られる参謀リルベルはこそこそと闇小説業界で暗躍していた。
　帝都一の『狂暴野蛮』で知られる最終兵器ウィンシーは壮絶なマイペースの暴食を続けるだけだった。

　愚劣と理不尽にあふれた世界で、かんちがいと迷妄の果てに、真の希望へいたる勇気の物語……だったらいいよな！

　＊２０２０年６月１８日　全体に細部修正しました。設定や構成などの大幅変更はありません。