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古鷹の桜〜江田島海軍兵学校青春物語〜

最新エピソード掲載日:2026/06/21
時は大正5年(1916年)。広島県呉市出身の2人の若者である山田磯太郎と本間亮は、難関の海軍兵学校に合格する。折しも日本海軍が日露戦争を勝利した頃であり、第一次世界大戦の最中東洋の新興国家大日本帝国は、世界の3大海軍に数えられる迄になっていた。両親の猛反対を押し切り入学にこぎつけた磯太郎と自由な過程で育った本間の経緯はさておき、見事に海軍兵学校に二人は合格する。

無事入っては見たものの、あまりの規律の厳しさに折角入学した海軍兵学校を辞めていく生徒も続出。そんな環境下にあっても、磯太郎や本間は必死で喰らいついて頑張っていた。

3年間の長いようで短い時間だった密度の濃い期間を過ごした磯太郎と本間は、少尉候補生として磯太郎は巡洋艦ちくまに、本間は潜水艦伊101号にそれぞれ配属された。

「いいよな、磯太郎は?」
「何で?」
「巡洋艦ちくまって言ったら、艦隊参謀のエリートコースじゃないか?」
「潜水艦乗りだって、今後のキャリアには充分じゃねーか?」
「あの劣悪な環境下を磯太郎は知らないから、そんな事が言えるんだ。」
「慣れるしかないな。まぁ貧乏くじを引いたと割り切るしかないな。」
「テンションだだ下がりだぜ。」
「どうせ俺達は士官になれるんだ。アチラコチラに配属されるから、数年?数ヶ月?か分からないけど、いずれ名誉ある艦艇に乗り組めるはず。」
「まぁそれもそうだな…。」

案の定、本間は1年で中尉に昇格し駆逐艦とわだ
に転属となる。磯太郎は2年で大尉に昇進。海軍兵学校よりも上級機関である海軍大学校に進学する。そして遂にDデイはやって来た。

1941年(昭和16年)12月8日、日本海軍機動部隊によるハワイ真珠湾攻撃をきっかけに、第二次世界大戦が勃発。この時磯太郎と本間は40歳となり、立派な海軍士官になっていた。磯太郎は中佐。本間は少佐であった。

守るべき家族もいた磯太郎と本間は絶対に死んではならなかった。米国の真の力を知ってあえて戦争に臨んだ日本海軍は、陸軍との確執や政治的な混乱に巻き込まれて、本来の力を出せず悲劇的な結末を迎える。

原子力爆弾のヒロシマ・ナガサキへの投下により日本は世界で唯一の戦争被爆国となった。広島県呉市出身の磯太郎と本間は、肉親を亡くした。特に磯太郎は尊敬して来た父を失い泣き崩れた。

戦後は海上自衛隊に志願。帝国海軍出身の士官として活躍した。
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