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古鷹の桜〜江田島海軍兵学校青春物語〜  作者: 佐久間五十六


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海軍兵学校入学

時代は日露戦争に勝利し束の間の平和を謳歌していた大正5年(1916年)。一人の若者が日本海軍の士官養成所、通称赤レンガと呼ばれる海軍兵学校に入学した。その若者の名は山田磯太郎やまだいそたろう。1901年(明治34年)1月1日生まれの15歳。まだ右も左も分からない学生だった。


親からは海軍兵学校進学を大反対されたが、まぁ、厳しい規律の海軍の生活に耐えられないと自由にさせる事にした。


「おい山田!お前海軍さんになりたいんだって?」

「あぁ、オラは真面目だ。本気で海軍大将を目指している。」

「正気かよ?海軍大将だと?笑わせるな。」


と、周りの友人からも全く信じてもらえなかった。ただ一人磯太郎の事を信じていた男がいた。唯一無二の親友である本間亮ほんまりょうだ。本間も海軍兵学校を受験すると言うので、2人で一緒に勉強しまくった。


その甲斐もあって海軍兵学校第47期生として合格した。周りはさぞ驚いた。本間も海軍兵学校に合格し入学の準備を進めていた。


「おい!磯!同期として海軍兵学校に入れる事を、本当に嬉しく思う。」

「本間も良かったな。これで念願の帝国海軍士官になれる道が拓けたな。」

「でも噂じゃあめちゃくちゃ厳しいらしいぜ?」

「そんな事慣れるしかないじゃないか?どんな人生もそれなりに厳しいさ。」


と、本間の言う通り慣れるしか方法は無かった。これから3年間の教育を受け、無事卒業出来ればいよいよ少尉候補生として、各部隊に配属される。


磯太郎の海軍兵学校合格を経て、両親も遂に諦めがついたのかたった一人の跡継ぎを海軍にとられる?形となった。


「へぇー。身体検査とか制服の貸与って入学前にするんだな?」

「入学式に制服で臨む為だろ?」

「なるほど。でも憧れだったんだよな。純白の日本海軍の制服。」

「制服は1種類じゃないぞ?夏用、冬用、儀礼用。まぁ知らないで入って来る奴がほとんどだがな。」

「作業着なんかもあるみたいだね。」

「まぁその辺は入学してから心配して良い内容じゃないか?」

「確かに。」


東洋一の軍港である広島県呉市出身の山田磯太郎と本間亮は、海軍兵学校のある江田島の存在を小さい頃から見て育った。その為、大日本帝国海軍の存在は周知されたものであった。ロシアに日本海海戦で勝利した事により遂に日本は世界の3大海軍大国(米国、英国、日本)の仲間入りを果たした。


しかし、ロシアは何とか退治出来たが、今度は米国と言う仮想敵国との、軍拡争いに巻き込まれる形となる。


世は第一次世界大戦を戦っている。磯太郎と本間が海軍兵学校に入校したのは、そんな時代の頃であった。


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