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星と潮風

最終エピソード掲載日:2026/06/25
蝉時雨、入道雲、波の音。そして、星から来た小さな友達——。

東京に住む小学三年生の木村悠真は、出産間近のお母さんを休ませるため、夏休みの間だけ遠縁の親戚が住む「射豆大島(いずおおしま)」で居候することになった。生まれて初めて親元を離れる悠真にとって、それは「お兄ちゃんになるための最初の試練」だった。

見渡す限りの青い海と、むせ返るような深い緑。同い年の活発な島の子・太一や、少し大人びた中学一年生の従姉妹・夏海に連れられ、悠真は巨大なカブトムシ捕りや手作りの秘密基地、防波堤での海釣りなど、東京では決して味わえない眩しい夏休みを満喫していく。

そんなある日、悠真は森の奥深くで「淡く青く光り、温かい鼓動を打つ不思議な石」を見つける。

その夜、悠真の部屋でフワリと宙に浮かび上がった石の正体は、なんと遠い星から不時着した無人探査船のAIコア「ポラリス」だった。
「故郷の星へ帰るため、島中に散らばった宇宙船のパーツを探してほしい」
ポラリスのSOSを聞き入れた悠真は、大人たちには内緒の「宇宙船探し」という秘密の大冒険を始めることになる。

やがてお姉ちゃんのように優しい夏海という心強い味方を得て、星空の夏祭りの夜などを経てパーツ探しは進んでいく。しかし、すべてのパーツが集まり宇宙船が直った矢先、島に記録的な大型台風が直撃してしまう。
ポラリスが宇宙へ帰る軌道に乗れる唯一のチャンスは、暴風雨が奇跡のようにパタリと止む「台風の目」に入った、ほんの短い時間だけだった——。

圧倒的な自然の脅威と優しさ、新しい命の誕生、そして星への切ない別れ。
ひとりの不安げな少年が、少し不思議なひと夏の出会いを通じて、たくましい「お兄ちゃん」へと成長していく姿を描く、心打たれるノスタルジック・ファンタジー。
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