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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

英雄を夢見たC級転生者を、世界は魔王と呼んだ。

作者:α次郎
最新エピソード掲載日:2026/05/27
中村亮は、二十四歳で死んだ。
バイトをして、酒を飲んで、何者にもなれないまま。それでも死ぬつもりはなかった。ただ、川に落ちた。

目を覚ました先は、剣と魔法の異世界だった。
前世の記憶がある。見知らぬ魔法まで発現していた。
今度こそ、何者かになれるかもしれない。

だが、亮を待っていたのは女神でも祝福でもなかった。
拘束具。書類。前世問診。

この世界にとって、転生者は奇跡ではない。前世の知識と発現した力によって等級を付けられ、国家の管理下に置かれる。医師は医療知識で重宝され、技術者は技術で迎えられる。前世で何者でもなかった者でさえ、強い力を引けば勇者や聖女として遇される。

亮に下された判定は、C級。
発現したのは、無効化魔法。対象の魔法効果を強制的に「無」へ上書きする、珍しい力だった。しかし制御が粗く、味方の魔法すら巻き込む。

C級。

亮はその判定を、受け入れられなかった。
前世で何も持たなかった者でさえ、強い力を引けば選ばれる世界だ。なら何故、自分はまたここに落ちるのか。あそこに行きたかった。勇者に、英雄に、選ばれる側に。その怒りは上位の神託者たちへの嫉妬と混ざり、居場所を見つけた。自分をC級と呼んだ世界は、何を見落としているのか。

亮の怒りを、世界は別の目で見ていた。

三百年以上前、制御されなかった転生者が「魔王」と呼ばれた。それ以来、世界は過剰なまでにその再来を警戒している。

無効化魔法は、魔法契約、加護、封印...。この世界の秩序そのものに干渉できる。その力と、高位の神託者への敵意が、本人の中で繋がり始めていた。

やがて世界は、C級転生者・中村亮をこう記録する。
第二の魔王候補、と。
女神はいない。
2026/05/20 15:17
前世問診
2026/05/21 14:07
神託者の皆様へ
2026/05/22 00:48
公都 サン・リュメール
2026/05/23 14:14
判定
2026/05/24 10:00
外縁試験区域
2026/05/27 21:10
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