↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

【外章】あの日より、前にいる

作者:あまつか
最終エピソード掲載日:2026/09/25
競技かるたなら、最初の一音で動ける。
けれど、自分の未来には、なかなか手を伸ばせない。

Rain Crownとして活動を始めて間もない頃、カップリング曲のセンターに抜擢された詠瀬真名(よみせまな)。初めて立った真ん中の景色に、「ここから何かが変わるかもしれない」と期待した。

しかし、その後に大きな抜擢は続かなかった。

時が経ち、Rain Crownは進化していく。
仲間たちがそれぞれの武器を磨き、自分だけの場所を築いていく中、真名はいつしか前へ出ることより、周囲を見て支えることに慣れていた。

「あのときが、私のピークだったのかな」

そんなある日、新たなコンセプト曲で、真名は久しぶりのフロントに選ばれる。

嬉しいはずなのに、自信がない。
かつてセンターだった自分と比べ、歌でもダンスでも突出していない自分が、なぜ今さら前に立つのか分からない。

だが、レッスンを重ねる中で真名は気づいていく。

選ばれなかった時間に身につけた、周囲を見る力。
メンバーの呼吸や癖を読み、次の動きを感じ取る力。
それは、読み手の一音から札を見極める競技かるたと同じ、真名だけの感覚だった。

そして彼女は、「昔センターだった自分」を再現するのではなく、今の16人をつなぎ、楽曲の世界を成立させるフロントとして、自ら前へ出ることを選ぶ。

Rain Crownが進化したからこそ、今の真名が必要になった。

これは、過去の栄光を取り戻す再起ではない。
積み重ねてきた時間を武器に変え、自分の手でもう一度、前の場所をつかむ物語。

――私は今、あの日より前にいる。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。