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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

神との交換日記

作者:黒海苔
最新エピソード掲載日:2026/08/06
ある日、自称ごく平凡な高校生・黒瀬玲司は、書いた内容がそのまま現実になる、正体不明の『常識改変ノート』を手に入れる。

半信半疑のまま何度か試すうちに、そのノートが紛れもない力を持つことを確信した玲司は、やがて一つの決意を固めた。

近い将来必ず訪れるとされ、三十万人を超える命を奪うと予測されている二つの巨大地震――南海トラフ地震と首都直下地震。

それらを、この世界から消し去ろうと。

しかし、その願いをノートへ書き記した瞬間、白紙だったページに赤い文字が静かに浮かび上がる。

『実行条件を提示します。』

『地震によって放出されるはずだった、広島型原爆およそ三万二千発分に相当する莫大なエネルギーを消費せよ。』

『地震によって回収されるはずだった、三十万人を超える魂を集めよ。』

世界の法則を書き換えるには、それに見合うだけの代償が必要だった。

だが、玲司が目指す未来に、そんな理不尽があってはならない。

人類を救うために、何の選択肢も与えられないまま、罪のない誰かの命を代償にすることなど、できるはずがない。

来る日も来る日も答えの出ない問いと向き合い続けた玲司は、やがて一つの結論へ辿り着く。

それは、自らの意思で覚悟を決め、危険へ挑んだ者だけが、その代償を引き受ける――そんな新しい世界を、自らの手で創り出すことだった。

「――ダンジョンを、作ろう。」

玲司が導き出した答え。それは、地震によって放出されるはずだった莫大なエネルギーを利用し、この世界にダンジョンという新たな仕組みを創り出すことだった。

その覚悟をノートへ書き記した瞬間――。

返ってきたのは、これまでの無機質な赤文字とはまるで違う、あまりにも軽い一言だった。

『えー、ダンジョン!? それ面白そう!』

『一人で作るのは大変でしょ?』

『サポート役、一人送っとくね! 頑張って!』

次の瞬間、玲司の目の前に、一匹の小さな妖精が姿を現す。

誰にも見えず、誰にも聞こえない。玲司だけが見える、小さな相棒。

こうして、一人の高校生と一匹の妖精による、誰にも知られない世界改変計画が静かに動き始める。

迷宮を創る。魔物を生み出す。魔石を世界へ巡らせる。そして、人々は探索者として迷宮へ挑む。

そのすべては、いつか何の前触れもなく人々の命を奪うはずだった大災害を、この世界から消し去るために。
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