Fragments' Distance

　何かに強く興味を持つということを経験しないまま過ごしてきた男、羽柴耀。
　彼はそんな無味乾燥な生活に何か変化がないかと、大学に進学すると同時に一人暮らしを始めた。しかし、そんな期待も虚しく、何も変わらないままに、大学に入って初めてのゴールデンウィークを迎える。
　世間が連休に賑わう中、それまでと同様に何の予定も無く無為に過ごすことになる。彼はそう思っていたが、予期せぬ巡り会わせから、奇妙な出会いが彼を待っていた。
　同じ学科の有名人。言動風貌が異彩を放つ女性。謎の少女。
　彼を取り巻く環境に――彼自身に――少しずつ変化の兆しが見え始める。