ポンコツ神様、戦争を終わらせるために伝説の殺し屋(OL)を召喚したら、状況が最悪になりました
最新エピソード掲載日:2026/10/23
これは、誰も救えなかった神様の物語。
かつて、この国に「戦争」という言葉はなかった。あったのは、もっと小さなしかし血にまみれた「喧嘩」だった。東の街と西の街、縄張りを巡る言い争いはやがて拳になり、拳は刃になり刃は鉄砲になった。誰にも決着をつけられないまま、街々は徒党を組み、東と西という二つの巨大な暴力へと育っていった。
僕はそれを見てきた。見ていることしかできなかった。
だって僕は、神様だから。しかも随分とポンコツな神様だ。力は弱く、世界を書き換えるほどの奇跡も起こせない。ただ、あまりに長くこの地を見すぎて、愛着だけが残った。
だから僕は、ひとつの賭けに出た。異世界から、ひとりの女を呼び寄せた。
桃西由美。表向きはごく普通のOLだった彼女の、もうひとつの顔は「暗殺者」だった。
標的を静かに消すことにかけて、彼女は天才だった。
この混沌を終わらせるには、誰かが「掃除」をするしかない。そう思ったのだ。
——結果から言おう。状況は、悪化した。かもしれない。
だって彼女は、殺しのプロだ。平和を築くために呼んだはずの女が、東と西どちらの駒にもならない。むしろ彼女自身が、この戦争で最も危険な「第三の矢」になりつつある。
「当事者を全員消せば、戦争は終わりです」
「いや、僕が望んだのはそういう平和じゃないんだけど!?」
神様は今日も遠い空の上から、ため息をついている。
かつて、この国に「戦争」という言葉はなかった。あったのは、もっと小さなしかし血にまみれた「喧嘩」だった。東の街と西の街、縄張りを巡る言い争いはやがて拳になり、拳は刃になり刃は鉄砲になった。誰にも決着をつけられないまま、街々は徒党を組み、東と西という二つの巨大な暴力へと育っていった。
僕はそれを見てきた。見ていることしかできなかった。
だって僕は、神様だから。しかも随分とポンコツな神様だ。力は弱く、世界を書き換えるほどの奇跡も起こせない。ただ、あまりに長くこの地を見すぎて、愛着だけが残った。
だから僕は、ひとつの賭けに出た。異世界から、ひとりの女を呼び寄せた。
桃西由美。表向きはごく普通のOLだった彼女の、もうひとつの顔は「暗殺者」だった。
標的を静かに消すことにかけて、彼女は天才だった。
この混沌を終わらせるには、誰かが「掃除」をするしかない。そう思ったのだ。
——結果から言おう。状況は、悪化した。かもしれない。
だって彼女は、殺しのプロだ。平和を築くために呼んだはずの女が、東と西どちらの駒にもならない。むしろ彼女自身が、この戦争で最も危険な「第三の矢」になりつつある。
「当事者を全員消せば、戦争は終わりです」
「いや、僕が望んだのはそういう平和じゃないんだけど!?」
神様は今日も遠い空の上から、ため息をついている。
第1話:神様の失敗と、スーツ姿の異分子
2026/10/19 20:00
第2話:東と西のルール、あるいは血の挨拶
2026/10/20 20:00
第3話:掃除屋の仕事手順(アプローチ)
2026/10/21 20:00
第4話:見つめる者と、切り裂く者
2026/10/22 20:00
第5話:第三の矢、射出される
2026/10/23 20:00