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「せいぜい蜂に刺されて死ね」と左遷された従魔師、魔蜂の女王に群れごと愛されました〜功績を横取りしたあなたが自滅しても、今さら戻りません〜

作者:ハル
最新エピソード掲載日:2026/07/19
 豪雨の夜。六十一歳の養蜂家・蜂谷源蔵は、蜂の巣箱を抱えたまま濁流に呑まれた。
 目を覚ますとそこは異世界、若い従魔師ノエルの身体の中。功績をことごとく同僚に横取りされた挙句、冤罪を着せられ、「殺人蜂の巣窟」と呼ばれる死の辺境ダールへ左遷されるところだった。見送りに来た宿敵は、幌の陰でこう囁く。
「せいぜい、蜂に刺されて死ね」
 ――あいにくだった。転生したのは、蜂ひと筋四十年の男である。
 体長二尺の魔蜂、三十万。王国中が恐れる「殺人蜂」は、源蔵の目には、腹を空かせただけの真っ当な蜂の群れだった。固有技能《蜂語》で羽音を聞き、花を植え、老女王・山吹と前例なき「群れ丸ごと」の従魔契約を結ぶ。死の荒野は百年ぶりに蜜の里へ蘇りはじめ、隣の谷に住む「毒草令嬢」メルティナの毒花は、蜂の腹の中で万病の薬へ変わる。
 一方その頃、王都では源蔵を捨てた男が「服従の首輪」に手を出し、四十頭の魔獣が暴走する未曾有の大惨事が起きていた。王家に残された最後の切り札は――死地に捨てたはずの、あの流刑者だった。
 五十万の蜂が空を金色に染める。刺すためではない。治すために。
 殺さず、死なせず、花を咲かせる。じいさん蜂飼いの二度目の人生、職場は花の咲いてる方だ。
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