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『五回目の朝、まだ死ねない』

作者:柑橘みかん
最新エピソード掲載日:2026/05/20
繰り返される朝。
目が覚めると、決まって同じバスに乗っている。

乗客は毎回同じはずなのに、どこかが少しずつ違う。
会話、仕草、座る席――そのわずかなズレが、やがて「死」に繋がる。

ここにいる人間は、皆どこかで“死ぬ”。
そしてまた同じ朝に戻ってくる。

回数を重ねた者たちは、自分を「〇回目」と呼ぶ。
新人は混乱し、やがて消えていく。
誰もが協力を口にするが、本当のことは話せない。
“死に方”だけは、どうしても伝えられないからだ。

ただひとつ確かなのは――
繰り返すほど、人は人でなくなっていくということ。

鏡の奥にそれを見てしまった者は、「黒」と呼ばれる。
彼らはもう、何を考えているのか分からない。

何度目かの朝、主人公は気づく。
このバスに乗っている限り、終わらないことに。

それでも選ばなければならない。
誰を信じるのか。
誰を見捨てるのか。
そして、自分は何を守るのか。

これは、何度やり直しても正解に辿り着けない世界で、
それでも“選び続ける”物語。
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