↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

あの、忘れられない停止液の匂い

作者:ちとせ鶫
最新エピソード掲載日:2026/07/27
2030年、春。
高密度にデジタル化された教室、通知の嵐、逃げ場のない視線。
新学期を前に「自分の居場所」を見失った麻倉実結(あさくら みゆ)は、
あの日、時を飛び越えた。

降り立ったのは、雪解け水がアスファルトを濡らす、1998年の札幌・東札幌。
戸籍もなく、公衆電話の使い方も、小銭の重さも知らない実結を拾ったのは、
私立東札幌高校の化学教師、五味(村瀬)織江だった。

実家の写真館との確執に身をねじらせ、知識ばかりの恋愛論を語り、
気に入らないことがあればすぐに舌打ちをする、三十路手前の不器用な大人。
なぜか初対面で実結の正体を見抜いた五味織江は、
強引に実結を「親戚のワケあり聴講生」として学園へ送り込む。

そこで待っていたのは、後に母となる少女・佳奈たちが、
赤い電球の下、あの、忘れられない停止液の匂いに包まれて
「今」を焼き付けようとあがく、熱っぽい写真部の日常だった。

スマホもSNSもない。
けれど、一度シャッターを切れば二度と書き換えられない「銀塩の時代」で、
未来で詰んでいた少女は、ねじれた大人や同年代の仲間たちと共に、
失くしたはずの光を探し始める。

これは、不自由で、うるさくて、たまらなく愛おしい――
一回性の季節を駆け抜ける、私たちの「再生」の記録。
序章:シャッター・ブラックアウト
第1話 鈍色の午後
2026/05/08 22:17 (改)
第1章:3月/停止液の街
第5話 五味先生の舌打ち
2026/05/08 22:25 (改)
第6話 現像されない記憶
2026/05/09 22:42 (改)
第9話 太陽の在処
2026/05/12 09:00 (改)
第10話 緋色の光の中で
2026/05/13 09:00 (改)
第12話 フィルムに届く光
2026/05/15 09:00 (改)
第13話 手配される春
2026/05/16 09:00 (改)
第2章:4月/定着液の効果と役割
第14話 編入準備
2026/05/17 09:00 (改)
第15話 始業式
2026/05/18 07:00 (改)
第16話 写真部、最初の日
2026/05/19 07:00 (改)
第17話 4月の解像度
2026/05/20 07:00 (改)
第3章:5月/現像液の解像度
第19話 薄紅の花が舞う季節
2026/05/22 07:00 (改)
第21話 化学式の詩
2026/05/24 07:00 (改)
第4章:6月/村瀬の看板と、ねじれた背中
第5章:7月/オーバーとアンダーの境界
第6章:8月/夏の感度、上がりすぎる
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。