「犬とでも結婚しろ」と婚約破棄された令嬢、朝だけ人間の【黒犬公爵様】に求婚されています ~まず散歩を終えてからにしてください~
最終エピソード掲載日:2026/09/10
「お前のような愛想のない女は、犬とでも結婚しろ!」
満月の夜会で婚約を破棄された伯爵令嬢セシリア、十九歳。
凍りつく大広間――王妃陛下の足元から、巨大な黒犬が歩み出た。
「では、私ではどうだ」
「犬が喋りました」
「公爵だ」
「……明朝の散歩を終えてから、お返事に伺います」
黒犬の正体は、北方公爵ヴィルヘルム。
代替わりの呪いで、人に戻れるのは夜明けの鐘から一刻だけ。
ひと月以内に「自由な意思で」伴侶に選ばれなければ、公爵位まで失うという。
なのにこの犬公爵、まったく急かしてこない。
「断ってくれてよい。あなたの言葉は、あなたのものだ」
かくして始まる、犬の姿の求婚儀礼。
挨拶に来れば尻尾が花瓶を薙ぎ払い、
散歩に出れば「王都条例」で自ら引き紐を差し出し、
贈り物は宝石でも花でもなく、丈夫な散歩靴。
「尻尾が、回っておいでです」
「風だ」
「無風です」
毎朝の散歩と、丘の上の一刻だけの語らい。
犬より約束を守らなかった元婚約者を横目に、
わたしは少しずつ、「隣にいてください」を自分の言葉にしていく――。
急かさない公爵様(犬)と、急がない令嬢の、
満月までひと月の求婚儀礼ラブコメディ。
満月の夜会で婚約を破棄された伯爵令嬢セシリア、十九歳。
凍りつく大広間――王妃陛下の足元から、巨大な黒犬が歩み出た。
「では、私ではどうだ」
「犬が喋りました」
「公爵だ」
「……明朝の散歩を終えてから、お返事に伺います」
黒犬の正体は、北方公爵ヴィルヘルム。
代替わりの呪いで、人に戻れるのは夜明けの鐘から一刻だけ。
ひと月以内に「自由な意思で」伴侶に選ばれなければ、公爵位まで失うという。
なのにこの犬公爵、まったく急かしてこない。
「断ってくれてよい。あなたの言葉は、あなたのものだ」
かくして始まる、犬の姿の求婚儀礼。
挨拶に来れば尻尾が花瓶を薙ぎ払い、
散歩に出れば「王都条例」で自ら引き紐を差し出し、
贈り物は宝石でも花でもなく、丈夫な散歩靴。
「尻尾が、回っておいでです」
「風だ」
「無風です」
毎朝の散歩と、丘の上の一刻だけの語らい。
犬より約束を守らなかった元婚約者を横目に、
わたしは少しずつ、「隣にいてください」を自分の言葉にしていく――。
急かさない公爵様(犬)と、急がない令嬢の、
満月までひと月の求婚儀礼ラブコメディ。
1. 「犬とでも結婚しろ」とのことですので
2026/07/15 22:34
2. 夜明けの鐘から、一刻だけ
2026/07/16 08:20
3. 黒犬公爵、応接間に鎮座する
2026/07/16 12:10
4. 引き紐は、条例ですので
2026/07/16 15:10
5. 贈り物は、丈夫な靴を
2026/07/16 18:20
6. 王妃陛下と、犬の親族
2026/07/16 21:30
7. 犬に傘を差す令嬢
2026/08/12 23:06
9. また来るね、を果たせなかった話
2026/08/15 13:09
10. 尻尾と三段トレイの大惨事
2026/08/17 22:51
11. 北から、家宰どのが参られた
2026/08/19 12:22
12. お見合いは、雪より軽く
2026/08/20 08:30
13. 肖像画は、二枚で
2026/08/21 08:30
14. 会えない朝
2026/08/22 08:30
15. 灰色卿と、腸詰めパン
2026/08/23 08:30
16. 「犬とでも」の男
2026/08/24 15:53
17. 復縁のお話は、お断りします
2026/08/25 08:30
18. 相槌は尻尾で結構です
2026/08/26 08:30
19. 招待状に「誓い」の文字
2026/08/27 08:30
20. 期限が言葉を奪う前に
2026/08/28 08:30
21. 一曲の儀、お相手は黒犬
2026/08/29 08:30
22. 軽い言葉は、北の風に
2026/08/30 15:33
23. 験の夜は、王宮で
2026/08/31 08:30
24. 約束を、ひとつだけ
2026/09/01 08:30
25. 満月の取り下げ
2026/09/01 19:10
26. ただの犬と、ただの令嬢
2026/09/06 12:54
27. 「あなたは、どうしたいの」
2026/09/07 08:30
28. 隣にいてください
2026/09/08 08:30
29. 引き紐は、もう要りません
2026/09/09 08:30
30. 北の初雪、昼の散歩
2026/09/10 08:10