表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ぼくのことを、誰も覚えていない理由

作者:あめとおと
最新エピソード掲載日:2026/04/22

王都の外れで暮らす、名無しの少年。
彼は、旅の魔法使いと何度も出会っていた。

――そのはずだった。

けれど魔法使いは、会うたびに「はじめまして」と言う。

花には名前をつけるのに、少年のことだけは覚えない。
どれだけ話しても、どれだけ一緒に過ごしても、次に会えばまた初対面。

やがて少年は知る。

この世界では、名前を持たないものは記憶に残らないということを。

そして気づいてしまう。

自分の存在は、誰の記憶にも、記録にも、残らない――
それどころか、触れた痕跡さえも消えていくのだと。

それでも魔法使いは、なぜか同じ場所にやってくる。
何かを忘れているように。

「次に会ったら、必ず名前をつける」

その約束は、果たされなかった。

やがて少年は、自分自身の記憶すら失い始める。

――名前を思い出せない。
――花の名前すら、思い出せない。

それでも、なぜか涙だけが残った。

これは、誰にも覚えられなかった存在の物語。



ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ