↓ ↑ページトップへ

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

拍手の長さ         :約5000文字 :コメディー

短編
あらすじ
 カンヌ国際映画祭。それは一年に一度、世界中から集まった映画が、単なる娯楽や商品という枠を超え、真に“作品”として呼吸を始める場所である。
 五月の南仏の陽光が地中海に反射し、街全体が映画を中心に脈打ち始めると、世界中から監督や俳優、批評家、報道関係者が、この小さな港町に集まってくる。彼らは完成させた作品を披露するために、あるいはまだ誰も観たことのない映画の“最初の観客”になるためにこの地を踏む。
 ここでは名だたる巨匠であろうと無名の新人であろうと、上映が始まれば等しく一人の観客に戻り、スクリーンと向き合う。肩書も実績も、過去に得た栄誉さえも暗闇に溶ける。裸になるのは作品か、それとも人か――。
 観客たちは正装に身を包み、赤い絨毯が敷かれた階段を上がって劇場へ入っていく。そして司会者の紹介もないまま、それぞれ席に収まり、ただ静かに照明が落ちるのを待つ。
 派手な演出など必要ない。誰が笑いを交えてこの場を回す? 誰が歌で歓迎する? そんなものはここに集まった誰も求めていない。この場で求められている光はただ一つ、スクリーンだけ。そこにすべてがあるではないか。
Nコード
N9727MW
作者名
雉白書屋
キーワード
キーワードが設定されていません
ジャンル
コメディー〔文芸〕
掲載日
2026年 10月21日 11時00分
最終更新日
2026年 10月21日 12時57分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
0pt
評価ポイント
0pt
感想受付
受け付ける
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
5,108文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N7948MY| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 五月の夜の電車内。大型連休の真っただ中とあって、車内は平日の帰宅ラッシュとほとんど変わらないほど混雑していた。  座席に腰掛けている者、吊り革に掴まっている者。その多くは目を閉じ、顔に一日の疲れが滲んでいた。ただ、いず//
N6401MY| 作品情報| 短編| コメディー〔文芸〕
「はい、どうもー」 「どうもー!」 「『猿と天才』です。皆さん、どうぞよろしくお願いします」 「ちゃうわアホ。『人間とロボット』や。思想透けとるやんけ」 「見てのとおり、こいつホモサピエンスなんですけど、相方がいない//
N6393MY| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 ねー、今日マサくんは? 来てないよー。まだ家にいるんじゃね? 昨日も来なかったよな。たぶん、一昨日も。今日も来ないのかなあ。学校休んでるらしいよ。風邪? わかんない。心配だね。様子見に行ってみない? どこに? マサくん//
N3235MY| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「泥棒!」  その声に、おれは思わず足を止めた。  夜中の帰り道、コンビニの前に差しかかったときだった。背後から突然、女のしわがれた声が突き刺さったのだ。  振り返ると、そこには腰の曲がった小柄な老婆が立っていた。上下//
N3232MY| 作品情報| 短編| コメディー〔文芸〕
 とある劇場。お笑いライブにて――。観客の拍手が鳴り響く中、二人組の芸人がセンターマイクの前へ駆け出していった。 「はい、どーも!」 「どーもでーす」 「エナジートングです! いやあ、こんなにたくさんのお客さんに来て//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。