↓ ↑ページトップへ

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

祖母の形見を手放して彼氏にコートを贈ったのに、彼がそれを着せたのは幼なじみの女だった

短編
あらすじ
 五年続けて、七夕になると榊原直人は「七夕くじ」と称する小さな遊びを用意していた。

 恋愛系のSNSで見つけたのだという。木箱の中には何枚もの木札が入っていて、私と、直人の幼なじみである宮下千夏が一枚ずつ引く。何が当たるかは、その年の運次第――そういうルールだった。

 私が引くのは、いつも千円もしないような小物ばかり。木製のヘアブラシ、小さな鏡、マグカップ、安いアロマグッズ。

 それに比べて千夏が引き当てるのは、高級腕時計や限定バッグ、ジュエリー、高価な旅行券だった。

 私はずっと、自分のくじ運が悪いだけだと思っていた。

 今年の七夕の前日までは。

 胃を悪くして仕事を休んでいた私は、直人が閉じ忘れたパソコンを何気なく見た。画面には、LINEのトーク画面が開いたままになっていた。

 千夏から、ついさっきメッセージが届いていた。

「今年の七夕くじ、どうする?」

 直人は、ほとんど間を置かずに返していた。

「いつも通り。星の印がある札は千夏用。残りは美月に適当に引かせればいいよ」

 その二行を見つめているうちに、指先から少しずつ体温が失われていった。

 五年間。

 一度だって、運になんて任せていなかったのだ。
Nコード
N6370MT
作者名
熾星
キーワード
シリアス 女主人公 裏切り 幼なじみ ざまぁ 修羅場 浮気
ジャンル
ヒューマンドラマ〔文芸〕
掲載日
2026年 09月23日 16時00分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
5件
総合評価
148pt
評価ポイント
138pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
14,251文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N4678MK| 作品情報| 連載(全163エピソード) | ヒューマンドラマ〔文芸〕
【閲覧注意】これは、彼女たちの「悪行」の記録か、それとも「救済」の叫びか――。 親に売られた少女、夫の暴力(DV)に怯える妻、社会から透明人間のように扱われる女たち。 ――「どうして私ばかりが、こんな目に遭わなきゃい//
N2558MU| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 付き合って三年になる恋人から、プロポーズされた。  浮かれた気分のまま奏人を実家へ連れていった私は、両親から仕事や家族のことをいろいろ聞かれるくらいは覚悟していた。けれど玄関のドアが開き、母の志保が私の後ろにいる奏人//
N2518MU| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 死んで三年。夫が再婚することになった。  その日、高槻冬真は十年近くつけていた結婚指輪を外し、私の墓前にそっと置いた。しばらく墓石を見つめたあと、昔と変わらない穏やかな顔で笑う。 「真帆。これからは、もうここには来//
N6427MT| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
普段ほとんどSNSを更新しない娘が、突然一枚の写真を投稿した。  病院のベッドに横になった美月が、生まれたばかりの赤ん坊を抱いている。目を閉じた小さな娘の手が、おくるみの隙間からのぞき、美月の指をぎゅっと握っていた。 //
N6370MT| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 五年続けて、七夕になると榊原直人は「七夕くじ」と称する小さな遊びを用意していた。  恋愛系のSNSで見つけたのだという。木箱の中には何枚もの木札が入っていて、私と、直人の幼なじみである宮下千夏が一枚ずつ引く。何が当た//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。