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短編
あらすじ
 とある会社の休憩スペース。自動販売機が低く唸るような音を立て、隅には背の高い観葉植物が形ばかりに置かれていた。窓から差し込む穏やかな午後の陽が床に淡い光の帯を作り、その中に細かな埃がゆっくりと舞っていた。
 その一角で、一人の男が立ち机に肘をついて、スマートフォンの画面を見ながらにやにやしていた。
 と、そこへ先輩が一人、休憩スペースに入ってきた。彼は後輩の姿を認めると、いつもの調子で声を掛けた。

「おいっす」

「ああ、お疲れ様です」

 後輩は顔を上げ、軽く会釈した。

「なんか機嫌よさそうだな」

 先輩は自動販売機の前に立ち、横目で後輩を見ながら言った。

「まあ、ふふふ」

 その反応に先輩は片方の眉をわずかに上げ、自動販売機のボタンを押した。ガコンと小気味よい音が響き、取り出し口に缶コーヒーが落ちた。

「どうしたんだよ、そんなににやけて」

「え? へへ、いや、実はこないだ、妻と思い出の場所に出かけたんですよ」

「へー、思い出の場所。いいじゃん」
Nコード
N4656MV
作者名
雉白書屋
キーワード
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ジャンル
ヒューマンドラマ〔文芸〕
掲載日
2026年 10月07日 11時00分
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