- あらすじ
- 秋の連休まで、あと二週間。仕事を終えて帰宅した私は、リビングの前で足を止めた。母と、幼い頃から付き合っている恋人の相原直樹が、旅行の話をしていたからだ。
「紗季は行かなくていいでしょ。予約を譲ってもらえば、私たちは旅行代を払わずに済むんだから」
「ホテルも交通手段も手配済みなんだろ? そのまま使わせてもらえばいいじゃないか」
直樹まで、当たり前のように同意していた。
私はドアの前で立ち尽くした。三か月も残業を続けて、ようやく取った旅行の予約だった。連休初日には両家の親が顔を合わせ、私たちの婚約について話し合う予定だったのに、二人の口から出てくるのは旅行のことばかりだった。
私は一度息を整え、リビングに入った。
「紗季、おかえり。ちょうど旅行の話をしていたの。あとで予約の資料を出しておいてくれる?」
母は何事もなかったように笑った。
「その旅行、私が三か月も残業して取ったものなんだけど」
「だから何? 家族で行くんだから、いいじゃない」
直樹はスマートフォンを操作しながら、莉央に五万円を送金していた。画面をこちらに向け、軽い調子で言う。
「莉央に服を買ってやるんだ。旅行先で写真を撮るなら、かわいい服があったほうがいいだろ。そんなに気にするなよ。みんなが帰ってきてから婚約の話を進めればいい。数日くらい待てるだろ?」
私は返事をしなかった。
これまで何度も、彼の言葉を信じて待ってきた。そのたびに後回しにされるのは、いつも私だった。
- Nコード
- N0803MZ
- 作者名
- 熾星
- キーワード
- シリアス 女主人公 婚約破棄 恋人との別れ ざまぁ スカッと
- ジャンル
- ヒューマンドラマ〔文芸〕
- 掲載日
- 2026年 11月05日 15時51分
- 感想
- 3件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 17件
- 総合評価
- 772pt
- 評価ポイント
- 738pt
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- 文字数
- 14,831文字
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彼氏と妹が私を賭けの対象にして、家族全員が私が転ぶのを見て大笑いした
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