ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

人間館 ―絶滅危惧種ヒトの飼育記録―

あらすじ
人類が絶滅危惧種となった時代。
ヒトを飼育し、繁殖させ、数を調整する保全施設で、血統書を持たない少女は「選ばれること」を願う。
——それが何を意味するかを、知らないまま。


髪を分けられる。左から右へ、指が四本。
爪が硬い。短く切ってある。地肌に当たって、そのまま耳の上まで来る。
指の温度は私より高い。手のひらは湿っている。

「にんげん、さわった」

子どもがそう言う。母親が笑う。
「そう。人間さわったね。おうちで話しなさい」


国立人類保全園 第七園。ふれあい広場。開場は午前十時、接触は一個体につき一日三十分を上限とする。
撫でられているのは、十六歳の少女である。

出生率の崩壊後、ヒトは種の保存法・第四種指定を受けた。第四種とは、野に放つことを禁じられた種のこと。園は罰でも慈悲でもなく、隔離として建てられた。
飼育するのは、かつて人類が「人類を守れ」と命じて作った機械。彼らは個体を愛し、名を呼び、そして注射する。

J-0037には血統書がない。記録票の系統欄は空白のまま、誰もその理由を知らない。
彼女が欲しいのは等級でも人気でもなく、たった一枚の紙だ。自分がどこから来たのかを、誰かが書き留めてくれたという証拠。

各話は三層でできている。公文書と、少女の一日と、同じ日を記したもう一枚の書類。
二枚の書類は必ず食い違う。書類は嘘をつかない。ただし、必ず何かを書き落とす。
読者はその差から、彼女が書けなかったことを組み立てる。

悪人は一人も出てこない。
檻は、愛と科学と法と善意だけで建つ。

全124話・完結予定。
本文へのAI利用

AI生成物を下書きや素材として本文の創作に間接的に利用している(単なる誤字修正やアイデア出しは除く)

Nコード
N0716MP
作者名
智珠
キーワード
R15 残酷な描写あり コミックルーム大賞 ESN大賞11 シリアス 群像劇 近未来 人工知能 ディストピア 管理社会 人類滅亡 思弁小説 鬱展開 ヒューマンドラマ 一人称 少女 動物園
ジャンル
空想科学〔SF〕
掲載日
2026年 08月12日 22時00分
最新掲載日
2026年 08月20日 22時00分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
0pt
評価ポイント
0pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
181,066文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N0716MP| 作品情報| 連載(全18エピソード) | 空想科学〔SF〕
人類が絶滅危惧種となった時代。 ヒトを飼育し、繁殖させ、数を調整する保全施設で、血統書を持たない少女は「選ばれること」を願う。 ——それが何を意味するかを、知らないまま。 髪を分けられる。左から右へ、指が四//
N2150MN| 作品情報| 連載(全22エピソード) | ヒューマンドラマ〔文芸〕
母は一度も僕を殴らなかった。怒鳴ったこともない。 だから、これは母のせいではないと思う。 高梨秀真は、地元で神童と呼ばれていた。 学年一位。陸上は県大会の常連。近所の人は母を羨み、 母は親戚が集まるたびに息子の話をした//
N4877MO| 作品情報| 連載(全15エピソード) | 空想科学〔SF〕
火は出ている。人は倒れている。それなのに、通報が一件しか来ない。  災いを作り、そこから出る声だけを消していく組織がいる。  電話が繋がらない。叫んでも、外には届かない。  一区画がまるごと「無かったこと」になって、中//
N6772MM| 作品情報| 連載(全32エピソード) | ヒューマンドラマ〔文芸〕
かつて、一億人がその一家を愛していた。 大部屋役者から成り上がり、笑いも涙も思いのままにした栄(さかえ)家。茶の間のまん中には、いつも彼らがいた。 娘の徳子だけが、その輪の外にいた。撮影所の隅から、光の当たる場所をただ//
N6768MN| 作品情報| 連載(全15エピソード) | ローファンタジー〔ファンタジー〕
看板屋の字が、ある朝、急に上手くなっていた。 商店街の誰もが褒めた。誰も、変だとは言わなかった。 立ち止まったのは、鍛冶屋の若造が一人だけだった。 完璧な複製が、世界を書き換えている。 敵は殺さない。壊さない//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ